2023年11月6日、日本の資本市場は重要なマイルストーンを迎える。
20年以上にわたる歴史を持つ東証マザーズ指数が名を変え、「東証グロース市場250指数」として新たなスタートを切る。
この変更は、マザーズ指数が2003年の算出開始以来、約3割の下落を経験した現実を受けてのものだ。
2022年の市場再編以降、金利の上昇と共に成長を続ける小型株が苦境に立たされ、新陳代謝を促す動きが加速している。
指数の変遷と市場の課題
マザーズ指数は2006年にそのピークを迎えたが、同年のライブドアショックを経て、2008年のリーマンショックでは最低点にまで落ち込んだ。
その後の回復は鈍く、高値の半値戻しすら果たせずにいる。
現在も600ポイント台で低迷し、発足当初に比べて大きく価値を落としている。
新たな指数の構造と期待
グロース市場250指数はマザーズ指数の銘柄を継承し、より選定基準を厳しく設ける。
時価総額が大きい250銘柄を選出し、年1回の見直しを行う。
新規上場や市場変更した銘柄は、一時的に時価総額に関係なく指数に加えられる。
マザーズ市場の貢献と進化
旧マザーズ市場は新興企業にとって資本市場へのゲートウェイであり、メルカリやそーせいグループなどの企業が市場変更を遂げるまで成長した例もある。
この市場はネット証券の隆盛とともに、個人投資家に投資の場を提供してきた。
市場と投資家層の成熟
新興市場のさらなる成長のためには、投資家層の拡大が必須である。
機関投資家が関わりやすい環境作りや、小型株であっても十分な資金調達ができる仕組みの構築が求められている。
上場後の成長鈍化も投資家層の拡大を妨げている一因だ。
まとめ:市場の新たな展開
グロース市場は、IPOを新たな成長のスタート地点と位置づけ、市場からの退場ルールを厳格化することで質の高い企業の維持を目指す。
これは、日本の新興企業と投資家にとって、より健全で活力ある市場環境を提供するための重要なステップとなるだろう。
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