7267 ホンダ アストンマーティンと組んでF1に5度目の参戦は高級EVへの布石、充実した株主還元で配当利回り3.8%

ホンダ、2026年からアストンマーティンとともにF1に再参戦:持続可能性と電動化への重視が背景に

ホンダは、2026年からフォーミュラ1(F1)に5度目の参戦を計画している事を発表しました。
そのために、英国のアストンマーティン・ラゴンダ・グローバル・ホールディングスのF1チーム向けにエンジンなどのパワーユニット(PU)を供給する予定です。

2021年にはホンダはF1のエンジン開発から撤退しましたが、新たに持続可能な燃料の導入などを推進するF1の新規定に注目。
その研究開発が脱炭素化に資すると判断し、再参戦を決めました。

ホンダのF1への参戦は1964年に始まり、その後数度の撤退と再参戦を繰り返してきました。
2026年からの参戦は5度目となります。

以前、ホンダはオラクル・レッドブル・レーシングなど2つのF1チームにPUを供給していました。
しかし、年間数百億円規模の開発費負担が重く、2021年シーズンを最後にF1から撤退し、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)など次世代車の研究開発に経営資源を集中させると発表していました。

しかし、25年シーズンまで2チームへの技術支援を続け、F1への関与は一部継続していました。
そして2022年11月、ホンダのレース子会社、ホンダレーシング(HRC)はFIAに対して、26年シーズン以降のPUの製造者登録を行いました。

ホンダの方針転換の背景には、2026年シーズンから導入される新たなF1規定が大きな影響を及ぼしています。
これらの規定では、持続可能な燃料の利用や電動の割合の増加が求められています。

ホンダのHRC社長、渡辺康治氏は「ホンダが目指すカーボンニュートラルと、電動化にかじを切るF1の方向性は合致している」と述べています。
ホンダは、F1での技術知見が電動化商品や「空飛ぶクルマ」である電動垂直離着陸機(eVTOL)の研究開発に活用できると見ています。

世界の自動車大手も、次世代車開発にF1の舞台を活用する動きを見せています。
レッドブルは、2026年から米フォード・モーターと組むことを決めています。
また、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)グループのアウディもF1向けのPUを開発すると発表しています。

F1の舞台は、次世代の自動車技術開発の試金石となっています。
ホンダの再参戦は、その挑戦の一環ともいえるでしょう。
今後のホンダの動きから目が離せません。

文句無しの株主還元と将来の鍵を握る四輪事業の成長

ホンダの近年の株主還元政策の強化は、そのストックの魅力をさらに高めるものであり、その一方で同社の四輪事業の利益の持続的な改善が重要な焦点となっています。

株主への分配に関しては、ホンダは前例を超える動きを示しており、2024年3月期には発行済み株式の4%に相当する最大2000億円を取得し、さらに前期比30円増の150円の最高配当を計画しています。
これは、ホンダが自社株買いを強化し、株主還元を一層推進する決意を示していることを示しています。

ですが、四輪事業の不振は否応なくホンダの業績に影響を及ぼしています。
新型コロナウイルスの影響や半導体不足、国内需要の縮小などにより、営業利益が減少しています。

解決策の一つとして、ホンダは高級・高単価車種の市場を拡大することを考えています。
これは、特に電気自動車(EV)における戦略として重要で、ホンダは2024年に提携先のゼネラル・モーターズと共同開発するSUVのEV2車種を、さらには2025年には独自開発のEVを投入する計画を進めています。

この戦略が成功すれば、ホンダのPBRは改善する可能性があります。
しかし、それには現在の株価がさらに上昇し、最高値を更新する必要があります。

EVへの戦略は市場からの評価が高く、ホンダが全新車をEVまたは燃料電池車(FCV)にするという決定は、その一貫した取り組みを示しています。
そして、ホンダがこの方向性に賭けて過去最大の研究開発資金を投入し、電池工場の建設を具体的に決定していることは、このビジョンへのコミットメントを強く示しています。

今後、ホンダがこれらの戦略を成功させ、高級EV市場におけるポジションを確立することができれば、その株価はさらに上昇し、株主への還元は更なる増大を見るかもしれません。
ホンダの未来は、その成功の鍵を握るこの戦略に大きく依存していると言えるでしょう。

会社概要

ホンダ(本田技研工業株式会社)は、1948年に創業者の本田宗一郎氏によって設立されました。
最初は2輪車事業からスタートし、1963年には4輪車市場へと参入しました。
現在では、2輪車における世界市場シェアは3割強を占める首位のメーカーであり、年間販売台数500万台近辺の4輪車についても、中位の自動車メーカーとして位置付けられています。
ただし、4輪車の収益性の改善は引き続き課題となっています。

近年では、自動運転や電動化といった領域で、米国の自動車メーカーであるGMとの連携を強化しています。
また、電池やソフトウェアに関しても外部との提携を進めており、2040年までには新車を全て電気自動車(EV)か燃料電池車(FCV)にするという目標を設定しています。
さらに、ホンダは人型ロボットや小型ジェットなど、自動車以外の分野にも事業を展開しています。

ホンダの本社は東京都港区に位置し、主要な工場は埼玉県、浜松市、鈴鹿市、熊本県、栃木県に所在しています。
従業員数は連結ベースで204,035名、単体ベースで34,067名(平均年齢44.7歳、平均年収778万円)となっています。

株式は東京証券取引所とニューヨーク証券取引所に上場しており、主要な株主には日本マスタートラスト信託銀行(信託口)、モクスレイ&Co.、日本カストディ銀行(信託口)、自社(自己株口)、明治安田生命保険などが名を連ねています。
外国人投資家の保有比率は39.43%で、自己株式の保有比率は5.94%となっています。

ホンダは高い配当利回りを持つと共に、円安による利益拡大が見込まれることから、景気敏感株として投資家から注目を浴びています。

参考リンク: ホンダ公式サイト

株価指標分析

ホンダの株価指標を詳細に分析してみましょう。

  1. 時価総額
    時価総額は70,754億円となっており、これはホンダが自動車業界の巨大なプレーヤーであることを示しています。
  2. 最低購入金額
    ホンダの売買単位は100株で、株価が約3900円なので、最低購入金額は約39万円です。
    決して買いやすい水準であるとはいえません。
  3. 出来高
    2023年5月19日の出来高は4,499,800株です。
    これは市場の流動性を示し、ホンダの株式が十分に取引されていることを示しています。
  4. PER
    2024年3月期の予想PERは8.84倍、2025年3月期の予想PERは8.42倍となっています。
    これは、ホンダの株価がその利益に対してどれだけ評価されているかを示しています。
    比較的割安な水準であるといえます。
  5. PBR
    実績PBRは0.57倍となっています。
    PBRが1倍を大きく下回る水準であることから、市場がホンダの資産価値を低く評価していることを示しています。
  6. 配当利回り
    予想配当利回りはどちらも3.84%となっています。
    これは十分に高い水準の利回りであるといえます。
  7. 年初来株価上昇率
    年初来の株価上昇率は+28.8%です。
    これは、ホンダの株価が年初から大幅に上昇していることを示しています。

以上の指標から、ホンダの株価はその業績と資産価値に対して比較的低い評価がなされているものの、一方で配当利回りは高く、株価も年初から大幅に上昇していることが読み取れます。
そのため、ホンダの株式は長期的な観点から見ると、投資家にとって魅力的な投資対象となる可能性があります。

四季報分析

ホンダ(7267)の四季報データに基づく分析を以下にまとめます。

業績予想

  • 2023年3月期予想では、売上高が17兆1000億円、営業利益が9000億円、税前利益が1兆870億円、純利益が7300億円と、前年度に比べて売上高と利益ともに増加が予想されています。
  • 2024年3月期予想では、売上高が18兆5000億円、営業利益が1兆170億円、税前利益が1兆2200億円、純利益が8150億円と、さらに成長が見込まれています。

業績・財務状況

  • 2022年12月時点での総資産は約24兆1425億円で、自己資本比率は46.0%となっています。
    これは企業の財務健全性を示す指標の一つで、高ければ高いほど健全とされます。
    この数字から、ホンダの財務体質は比較的良好と言えるでしょう。
  • ROE(自己資本利益率)は7.2%で、ROA(総資産利益率)は2.9%です。
    これらは企業の収益性を示す指標で、いずれも比較的良好な数値となっています。

業務戦略

  • ホンダは新型FCVの生産を2024年から米国オハイオ工場で開始する予定であり、米GMとの共同開発のFCシステムを2020年代半ばに年間約2000基を外販する計画を立てています。
    これはホンダの中長期戦略である電動化・自動運転の推進を反映したもので、今後の業績に影響を与えると予想されます。
  • また、ホンダの4輪車事業は生産停滞が続いていましたが、2024年3月期は生産が上向く見込みです。
    新型車の投入により、北米や日本での販売台数が増加すると予想されています。

以上の情報をもとに、ホンダの業績は堅調であり、中長期的な視点で見ても、その事業展開や財務状況は良好であると評価できます。
電動化・自動運転へのシフトは自動車産業全体のトレンドであり、ホンダがこの領域で具体的な計画を持っていることはポジティブな要素です。
これらの点から、ホンダは成長見込みのある企業と言えそうです。

ただし、今後の状況は自動車市場の環境や経済状況、新型車の販売実績や生産状況などに左右されます。
このため、投資判断を行う際には、これらの要素についても考慮することが重要です。

株主優待

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