【6月13日Viceroyはツイッターで攻撃を継続】【株価は1万円前後を行ったり来たり】3856 Abalance 投資価値は海外レポート会社「Viceroy」のレポートを信じるかどうかに尽きる

2023年6月13日 ツイッターで攻撃を継続するViceroy

2023年6月2日 Viceroyは刑事告訴を示唆するツイート

2023年6月2日、投資集団Viceroyがツイッター上で、Abalanceに対して刑事告訴を行う可能性を示唆しました。
このツイートでは、日本の法律アドバイザーに指示を出し、Abalanceとその経営陣に対する刑事告訴を提起すると明記されています。

さらに、Viceroyは過去の訴訟が取締役による不正行為や詐欺の証拠を明らかにしたと主張し、そのような不適切な行為が現在も続いていると述べています。

株価は対して反応せず

このようなViceroyの強い主張にもかかわらず、Abalanceの株価は大きな影響を受けることなく、株価は1万円前後を行ったり来たりの状況が続いています。

ViceroyとAbalanceの過去の経緯

過去にもViceroyはAbalanceに対して不正行為の指摘を行っており、これに対してAbalanceは反論を行うなど、激しい攻防が繰り広げられてきました。それにもかかわらず、株価が大幅に動くことはありませんでした。
これは、投資家がViceroyの主張に対して懐疑的な視線を向けている証拠といえます。

これからもViceroyとAbalanceの間の動きには注目が集まることでしょう。
それによって株価が大きく揺れ動くかどうかは、市場の判断に委ねられることになります。

会社概要

Abalance Corporation(エーバランス)は、2000年に設立されたナレッジマネジメント開発会社で、現在は主に太陽光パネルによるメガソーラーの建設・販売を主力事業としています。
2011年には国産中古建機の輸出会社、華僑系のWWBを子会社化し、債務超過から再建を果たしました。
現在の実質オーナーはWWBの龍潤生氏です。

FIT制度の縮小に対応するため、エーバランスは好採算のメガソーラーを自社保有し、発電事業へ本格進出する方針を持っています。
また、既存メガソーラーの買収に加えて、北海道では風力発電も展開しています。
さらに、欧米輸出が伸びているベトナムの太陽光パネル会社を2020年に子会社化し、太陽光パネルのリサイクル事業も行っています。

エーバランスは2007年9月に上場し、本社は東京都品川区に位置しています。
2022年6月時点での従業員数は連結で1,008名、単体で23名で、平均年収は573万円です。

主要な株主は、龍潤生氏が最も多く、保有比率32.65%となっています。
その他の大手株主には、(有)飯塚フューチャーデザイン、日本カストディ銀行信託口、BNY・GCMクライアント JPRD ISG FE AC等があります。
外国人の保有比率は10.11%で、自己株式の保有比率は0.49%です。

AbalanceとViceroyレポート:今後の投資価値を左右する信憑性の問題

2023年5月16日に公表されたViceroy Research Groupによる調査報告書では、Abalanceが複雑な企業構造を駆使して、株主から資産や資金を不適切に利用しているとの主張が出されています。
具体的には、AbalanceのCEOやその他の関係者が、非公開の関連取引やオフバランス取引を用いて、VSUNやFUJI SOLARなどの子会社や関連会社の資産を不正に取引していると指摘されています。
さらに、ViceroyはAbalanceの評価が非現実的で過大とも主張しています。

これらは公に利用可能な情報と現地での調査に基づいていると主張し、Viceroyは自身がAbalanceの株式を空売りしていることを公に認めています。
このレポートの影響により、市場では信用取引による空売りが増加しました。

Viceroy Researchは海外の調査会社で、主に不正行為や過大評価を行っている企業に対して批判的なレポートを作成しています。
過去にはワイヤーカードやステルス・バイオセラピューティクスなどに対するレポートを発表しており、その内容については様々な反応が見られました。

一方、AbalanceはViceroyから一切取材を受けていないとし、報告書には明らかに事実誤認が含まれていると反論しています。
Abalanceはこのレポートを根拠のない、意図的に誤った情報に満ちたものであり、企業価値を大きく損なうものと位置付けています。
そして法的対応を準備していくとの立場を明らかにしています。

Viceroyによるレポートが公表された後、Abalanceの株価は急落しました。
2023年5月16日には1株あたり13,620円で取引されていましたが、わずか2日後の2023年5月18日には7,240円まで下落。
これは年初来の最安値を記録した瞬間でした。

しかし、その後の動きは一転。2023年5月19日と22日の2営業日連続でストップ高を記録し、22日の終値は11,230円にまで回復。
Viceroyのレポート公表前の水準にあっという間に戻ってきました。

今後の投資判断は、Viceroyのレポートの信憑性とAbalanceの反論のどちらを信じるかという問題に大きく影響されることでしょう。

四季報分析

Abalance Corporationの四季報によると、同社は躍進を続けています。
ベトナムにおける太陽光パネル子会社の第4工場がフル稼働し、欧米への輸出が急拡大しています。
この結果、同部門の年商が2000億円(前年比2.4倍)に達する勢いがあります。
また、国内の太陽光発電も新規稼働があり、FIT制度30円台の電源買収も進めています。

2024年6月期には、ベトナム子会社の採算改善が見込まれています。
ベトナムの太陽電池セル工場が10月に竣工予定で、パネルとの一貫生産が始まれば利益率が大幅に向上する可能性があります。
また、次期には東証プライムへの指定替えも検討しているとのことです。

2023年度の予想業績では、売上高が210,000百万円、営業利益が9,500百万円、経常利益が10,000百万円、純利益が4,800百万円を見込んでいます。
1株あたりの益は277.8円、1株あたりの配当は6〜7円とされています。

財務面では、2022年12月時点での総資産は118,764百万円、自己資本は8,071百万円、自己資本比率は6.8%となっています。
有利子負債は40,142百万円です。指標としては、ROEが17.4%、ROAが1.0%、調整1株益が52.7円です。

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