日本ダービー2023 ディープインパクト産駒・キングカメハメハ産駒不在でキタサンブラック産駒を筆頭に新世代の台頭が注目される中、昨年優勝のドウデュースと同じ登録馬唯一のハーツクライ産駒「ハーツコンチェルト」の魅力

ハーツコンチェルトについて

ハーツコンチェルト(馬名)父名の一部+協奏曲。
人馬一体となって、ソロ楽器とオーケストラが協力して演奏するコンチェルトのように、ダービーの制覇を目指します。

父はハーツクライ、母はコンチェルト、母の父はアグネスタキオンという血統です。
毛色は栗毛で、美浦・武井亮厩舎に所属しています。

ハーツコンチェルトは、2022年12月に中京競馬場でデビューし、8馬身差の圧勝を飾りました。
その後、東京スポーツ杯2歳ステークスで3着、若葉ステークスで4着となりました。

前走は青葉賞に出走し、スキルヴィングの2着となりました。
このレースで東京芝2400メートルを初めて走り、コース相性の良さを示しました。

伏兵ハーツコンチェルトの血統と複勝率100%データに注目

2023年の日本ダービー(3歳牡牝・GI・芝2400m)には、青葉賞で2着となり優先出走権を獲得したハーツコンチェルト(牡3、美浦・武井亮厩舎)が参戦します。
彼は血統的にも日本ダービー制覇にふさわしい存在です。

まず、彼の父であるハーツクライは、2004年の日本ダービーで2着となった名馬です。
彼の産駒はこれまでに19頭が日本ダービーに出走し、そのうち14年のワンアンドオンリーと昨年のドウデュースが勝利を収めています。
さらに、11年のウインバリアシオン、17年のスワーヴリチャード、そして20年のサリオスが2着に入るなど、計3回の連対を果たしています。
ディープインパクト産駒のように出走頭数や勝利数では劣るかもしれませんが、連対率では上回っています。

また、母系にも注目したい要素があります。ハーツコンチェルトの母の父はアンブライドルズソング(Unbridled’s Song)であり、この血統は17年のスワーヴリチャードと共通しています。
さらに、アンブライドルズソングの牡馬は東京芝2400mのGI競走に強く、コントレイルは3戦2勝、2着1回、スワーヴリチャードは1勝、2着1回、3着1回の成績を残しています。
この2頭の合計成績は3勝、2着2回、3着1回であり、複勝率100%という驚異的な数字を誇っています。

青葉賞2着のハーツコンチェルトが1勝馬なら83年ぶりの快挙へ

青葉賞で2着に入り、優先出走権を獲得したハーツコンチェルトが目指すのは、83年ぶりとなる1勝馬による日本ダービーの制覇です。

これまでに1勝馬による日本ダービーの制覇は5回あります。
古い方から順に32年のワカタカ、33年のカブトヤマ、36年のトクマサ、39年のクモハタ、そして40年のイエリユウですが、これらはすべて戦前の記録です。
1946年以降、2歳戦が始まって以降は1勝馬による勝利はなく、平成以降でも最高成績は90年のホワイトストーンと05年のシックスセンスの3着となっています。

ハーツコンチェルトは現在までに5戦1勝の成績を残しています。
新馬戦では圧勝しましたが、重賞やオープンクラスではまだ勝利を収めていません。
ただし、東京競馬場では好成績を収めており、東京スポーツ杯2歳Sではわずか0秒2差の3着となりました。
前走の青葉賞でも、今回の人気馬スキルヴィングから僅か0秒1差の2着と好走しています。
そのため、人気に比べて力の差はそう大きくないと言えるでしょう。

関東馬ハーツコンチェルトに関西ジョッキー松山がデビューから乗り続ける「意味」

日本ダービーは70年以上もテン乗りでの勝利がないという歴史があり、人馬の絆が試されるレースとなっています。
ハーツコンチェルトにとっては、デビューから6戦連続のコンビとなる騎手の松山弘平にも期待が寄せられています。
彼らは一気に頂点を目指す大物候補として、注目されています。

乗り替わりが当たり前となった現代において、G1レースでのテン乗り勝利はそれほど多くありません。
特に経験の浅い3歳馬によるクラシックレースでは、コンビが既に馴染んでいる騎手の存在が重要です。
レイデオロ、ワグネリアン、ドウデュースなど、3歳牡馬のダービーでもデビュー戦から一貫して同じジョッキーとコンビを組んだ人馬が多く勝利しています。

それを踏まえると、忘れてはならないのは青葉賞で2着に入ったハーツコンチェルトと松山騎手の存在です。
関東馬に関西のジョッキーが連続して騎乗するというのは異例のケースですが、逆に言えば、ジョッキーがパートナーとなる馬の素質に惚れ込んでいる証拠とも言えます。

武井調教師は、「前走の青葉賞は過酷な競馬でしたが、馬は思ったよりも早く回復しました。1週間前には3頭併せでビッシリと追い切ることができました。これでさらなる進化を遂げてレースに臨むことができるでしょう」と語っています。

ハーツコンチェルトはこれまでに2戦目の東京スポーツ杯2歳Sで1番人気に支持されましたが、追い込みきれずに3着に終わりました。
その後は2戦続けて凡走しましたが、3歳になってからは身のこなしも良くなりました。
青葉賞では最後の叩き合いでわずかにスキルヴィングに屈しましたが、直線ではスムーズに外に出せたライバルに対して、ハーツコンチェルトは馬群をかわすのに苦労しました。
まだ十分な力を発揮できていない内容であり、勝負はまだ終わっていません。

指揮官は、「負けはしましたが、改めて勝負根性を示してくれたし、逆転の可能性もあると思います。ハーツコンチェルトはデビューからダービーを目指してきた馬です。そして、松山騎手がずっと乗り続けてくれていることも頼もしいです」と若き才能に夢を託しています。

関東馬に関西のジョッキーがデビューから一貫して乗り続けてきたことの「意味」が、28日の府中競馬場、第90回日本ダービーの舞台で明らかになるでしょう。

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