2020年世界同時多発コロナ危機関連総まとめ

  1. 時系列
    1. 2019年12月~2020年2月
  2. 最新状況 2020年11月9日時点
    1. 新規感染者数
    2. 新規死者数
    3. 致死率
  3. 米ファイザー ワクチン効果9割超に(2020/11/9)
    1. RNAワクチン
    2. 不活化ワクチン
    3. ワクチン開発米中戦争
    4. 欧米ワクチンビッグ4
    5. ワクチン開発プロセス
      1. 創薬
      2. 臨床試験 第1段階
      3. 臨床試験 第2段階
      4. 臨床試験 第3段階
      5. 承認・実用化
    6. ワクチン開発を急ぐ政治問題
  4. 抗体消滅再感染 ワクチン・集団免疫無効説
  5. 初期症状と潜伏期間
    1. 後遺症
    2. 嗅覚・味覚障害について
  6. 肺炎
  7. サイトカインストーム
    1. 肥満は特に高リスク
    2. 重症化しやすい人の特徴
    3. 障害者問題
  8. PCR検査(核酸増幅法検査)
    1. PCR検査 偽陽性と偽陰性問題
    2. PCR検査では目的をはっきりさせる必要がある
    3. 検査を担う技師は一朝一夕で育成出来ない
    4. 日本では新しい病原体を大量に検査する事は想定されてなかった
    5. 全自動検査機器も万能ではない
    6. 簡易検査は極端に感度が低く、偽陰性となるリスクが高い
    7. PCR検査が少なくても、死亡者はちゃんと把握できている
  9. CT検査 X線画像で肺炎症状を診断
  10. スウェーデン式”緩い”コロナ対策
  11. 新型コロナウィルス「中国型」「欧州型」「米国型」
  12. 受容体たんぱく質ACE2が重症化の鍵を握る?
  13. 子供がcovid-19に感染しにくい謎
    1. 乳幼児で川崎病と見られる症状とcovid-19の併発感染が見られる謎
    2. 学齢期の子供のコロナ 小児多臓器系炎症性症候群
  14. 人への最初の感染 2019年10月だった可能性
  15. 精液からウィルスが検出 性行為での感染リスクは?
  16. 高温多湿でも感染力は衰えない?
    1. 熱中症対策も必要に
    2. 熱中症とcovid-19の初期症状は似ている?
  17. 大気汚染による影響
  18. ウィルスの生存期間
  19. 感染力の強さを示す基本再生産数
  20. 実行再生産数
  21. 2020年1-3月 日本全体での死亡者数合計36万8793人 前年同期比1万867人減
  22. そもそもコロナウィルスとは?
  23. 新型コロナウィルス感染症の治療薬候補
    1. レムデシベル covid-19治療薬世界最速承認
    2. アビガン 日本発の治療薬 レムデシベルの次に承認(予定)
  24. ワクチン開発
    1. 既存のワクチン市場独占4社米米英仏 シェア8割
    2. 謎多き中国勢
    3. mRNA-1273 米モデルナ(開発)+スイス・ロンザ(量産)
  25. 過去の疫病トップ10
    1. 天然痘
  26. 感染経路
  27. 新しい生活様式
    1. 感染防止3つの原則
      1. ①身体的距離の確保
      2. ②マスクの着用
      3. ③手洗いと消毒
    2. 移動に関する感染対策
    3. 日常生活
    4. 買い物
    5. 公共交通機関の利用
    6. 食事
    7. 娯楽・スポーツ等
    8. 冠婚葬祭などの親族行事
    9. 働き方
  28. BCGワクチン有効説
  29. コロナウィルス解析へ FAHによる分散コンピューティングの活用が進む
    1. 国産スパコン「富岳」を新型コロナウィルス研究に活用
  30. 日本 医療品の海外依存度が高すぎる問題
  31. コロナ禍と情報化社会における情報の取捨選択について
    1. まず前提にするのは、「公知の事実」
    2. 前提となる公知の事実もアップデートしていく必要がある。
    3. 情報を丸暗記せず、常に自分の頭で考えて持論を構築していく
    4. 間違った情報を発信してしまったら「即削除・訂正」「即謝罪」
  32. コロナ危機における経済財政政策 ヘリコプターマネーの実現
    1. マネタイゼーションとヘリコプターマネーの定義
    2. 量的緩和との関係
    3. ヘリコプターマネーの強み
    4. 新型コロナ危機限定ヘリマネ政策案
    5. ヘリマネの懸念
    6. 景気後退保険債権 リセッション・インシュアランス・ボンド
  33. 2020年4月 東京都内の倒産件数が前年比1割減の異変
  34. 経営難の中小企業の戦い
  35. ホテル事業者大量破綻
  36. トイレットペーパー3K物流問題
    1. 第1のK かさばる
    2. 第2のK きつい
    3. 第3のK 空っぽ
  37. アビガンの歴史
  38. 新型コロナウィルスの名称について
  39. アマビエブーム
    1. 現代のバズりたいというSNS文化にピッタリと合致していたアマビエ伝承
    2. 社会のために何もしてはいけないという初めての経験
  40. 漢方薬板藍根(バンランコン)
  41. 中国の新型コロナウィルス対策 初動隠蔽
  42. WHO 致命的な初動対応の遅れ
  43. エボラ出血熱時の対応も後手後手だったWHO
  44. 米中戦争と武漢ウィルス研究所起源説

時系列

2019年12月~2020年2月

始まりは中国湖北省武漢市。
2019年12月に最初の新型コロナウィルスを確認。
感染は湖北省で急拡大し、中国全土に及び、2020年1月中旬には日本でも最初の感染者が発生。
1月中旬から、韓国やタイなど中国の周辺に波及していく。
2月までの感染者は世界全体で約8万6千人で、中国が9割以上を占める。

最新状況 2020年11月9日時点

全世界累計感染者数:5000万人超
中南米1100万人超
欧州1000万人超
アジア1000万人超
アメリカ950万人超
インド830万人超
ブラジル550万人超
日本10万人超

全世界での1日あたり新規感染者数:52万人前後

全世界での1日あたり新規死者数:7,000人超
欧州が4900人超で最も多く、アメリカ1000人超、中南米1000人超となっている。

世界最多はアメリカで、2020年10月31日に累計感染者数900万人を突破
累計死者数は、2020年10月19日に22万人を突破
更に1日あたり新規感染者は10万人を超え、新規死者も1000人を超える状況が続く
特に大統領選挙の激戦州となっている、アリゾナ州やミシガン州で感染者の増加が顕著となっている。
トランプ大統領の選挙集会によって新たに3万人が感染し、700人が死亡したとの研究結果をスタンフォード大学が発表している。

インドは2020年9月7日にブラジルを抜いて世界第2位となり、2020年10月11日累計感染者数700万人を突破
累計死者数は2020年10月14日に11万人を突破
しかし、インドは単純に人口が非常に多いため、人数の数字も大きくなりがち。
人口10万人あたりの感染者数や、致死率といった統計で見れば、インドはそこまで多くない。

ブラジルは世界第3位、2020年10月7日に累計感染者数500万人を突破
累計死者数は2020年10月10日に15万人を突破

ロシアの累計感染者数はおよそ140万人超、累計死者数は2万5千人程度。
ただし、ロシアの統計は欧米から過小報告ではないかと疑いをかけられている。

スペインの累計感染者数は100万人超、累計感染者数は3万人超。

日本の累計感染者数は2020年11月6日に新規感染者1132人が確認され、104,883人と10万人を突破、死者は4人増えて合計1811人。

新規感染者数

2020年10月以降、欧米で感染者が急増、アジアは減少傾向。
新規感染者の5割は欧州、2割は北米と、欧米が7割を占める。
2020年11月初旬、1日あたり新規感染者数は50万人超、現在進行形で感染中の患者が1000万人超

2020年11月3日の大統領選挙を迎えたアメリカでの新規感染者数が激増しており、10月30日は9万9千人を超えており、最多を記録。
更に大統領選挙の混乱が拡大する中、2020年11月4日と5日で2日連続で新規感染者が10万人を突破
アメリカは国土も広く、地域ごとに濃淡がある。
4月の第一波では、ニューヨーク州などの東部がホットスポット
7月の第二波ではテキサス州など南部、カリフォルニア州など西部のサンベルトと呼ばられる地位がホットスポット
第三波は中西部がホットスポット
中西部は比較的行動規制が緩い週が多いのも特徴的。

2020年11月に入って、ロシアと東欧を含む欧州全体で1日25万人超第1波ピーク時には3.5万人だったので、約8倍のペースで新規感染者が増加
フランスは新規感染者5万人前後、イギリスは新規感染者2万人前後
チェコやポーランドなど東欧やロシアでも増加が目立つ。

欧州では、2020年3月から4月にかけて感染が急速に拡大したため、ロックダウンを実施。
フランスやイタリア、スペインで医療体制が整わなかった事が原因で死亡率も高い数値を記録した。
6月以降に新規感染者が大幅に減少したためロックダウンによる行動制限をどんどん緩和して、正常化を目指した。
8月中旬から再び感染が再燃し、10月から更に感染爆発。
10月下旬から再びロックダウンを実施。
欧州各国では、8月に行動規制を緩和して夏休みの人の移動を促した事が感染が再拡大した原因とみなされており、10月下旬以降のロックダウンにつながっている。

インドでは2020年10月現在、新規感染者が1日に5万人前後が確認されている。
2020年9月中旬までは1日あたり9万人超の新規感染者が確認されており、過去最多は2020年9月17日の9万7894人となっている。
9月に比べれば、新規感染者の数は減りつつあるが、それでも世界最多水準をキープ。

新規死者数

アメリカで2020年11月4日と5日に2日連続で1000人超の死者を記録

2020年11月、欧州各国でも新規死者数は増加傾向で、フランスでは1日500人ほどの死者が確認されている

インドでは、2020年9月に1日あたり1000人程度の死者が確認されていたが、2020年10月に入って1000人以下に減っていき、500人前後で推移。

中国は、2020年5月18日以降、新規死者数はゼロとされている。

致死率

感染者のうち亡くなった人の割合をみてみると、全く違う風景が見えてくる。

メキシコが致死率10%超えで世界一

イタリアが9%超で2位

中国が5%超で3位

スペイン・ブラジル・米国が約3%

韓国・日本・インドが1%台半ば。

米ファイザー ワクチン効果9割超に(2020/11/9)

2020年11月9日 アメリカ製剤大手のファイザーが開発中の新型コロナウィルスのワクチン治験で予防の有効性が90%を超えたとする初期データを発表。
11月中にも米食品医薬品局FDAにワクチンの承認を申請する方向。

独ビオンテックと共同開発中のワクチンの治験に参加した人を調べたところ、9割以上の対象者に予防の効果が生じたとしている。

ファイザーは、規制当局の承認が得られれば、年内に世界で最大5000万回分(2500万人分)、2021年末までに最大13億回分のワクチンを製造する計画。
日本政府も1億2000万回分のワクチン供給を受ける事で基本合意している。

10月の段階では、他の欧米製薬企業と歩調を併せる形で、ファイザーもスケジュールが遅れる旨を発表していた。
だが、その際に「公共の信頼を重視する。緊急使用許可の申請は11月第3週以降になるだろう」と発言しており、その発言内容通りには開発が進んでいたことになる。

11月3日の大統領選挙前のワクチン投与を求めてきたトランプ大統領の要請を拒み、バイデン氏の当選確実が出た翌日にワクチンの有効性9割のニュースを打ち出してきた。
タイミングがあまりにもバイデン氏に都合が良すぎるため、訝しむ声もある。
かといって、大統領選挙直前や最中に発表してもトランプ大統領を過剰に利する事になるので、その点において配慮は仕方無しといえる。

株式市場もファイザーのワクチン治験の効果が予想以上だったとして、過剰に好感。
バイデン氏の当確で不透明感が晴れた事も相まって、NYダウは1600ドル以上暴騰。
欧州や日本市場も暴騰し、世界同時株高。
特に航空株を中心としたコロナで大打撃を受けた業種を中心に爆上げ。
コロナ禍でも金融緩和と巨額財政出動で爆上げし、更に上乗せしてワクチン期待で爆上げ。
ワクチン開発で実態経済がすぐに正常化するわけではないので、金融緩和と財政出動は今後も継続。
当面、株価バブルは収まる気配を見せない。

政治家も投資家も、ワクチンさえ開発出来れば、映画コンテイジョンのようにスムーズに全てが解決するものと過度に期待が先行しているが、果たしてそこまで都合良く物事が運ぶかどうかは甚だ怪しい。

RNAワクチン

コロナウィルスの遺伝子のデータを基に「メッセンジャーRNA(mRNA)」と呼ぶ遺伝物質を人工的に作成し、脂質などのナノ粒子に組み込んでワクチンにする。
体内に投与すると、ウィルスが持つタンパク質(抗原)が作られ、免疫システムが反応して抗体が作られるという仕組み。

ここまでヒトに実用化された例がない種類のワクチンであり、有効性や安全性の検証などのハードルは高いとされている。

ただ、ウィルスを培養するなどの手間が掛からないため、より素早く開発しなければならないというニーズに応える形で開発が進んでいる。

不活化ワクチン

従来型ワクチンの代表格で、過去の実績は抜群。
化学処理などで病原性を無くしたウィルスを利用し、ヒトの免疫反応を引き出してウィルスの感染を防ごうとする仕組み。

ワクチン開発米中戦争

臨床試験に入っているワクチン候補は中国勢と米国勢で半分を占めている。
米国は自国への供給と備蓄が最優先、中国は途上国に大して政治的駆け引きや外構の道具としてフル活用する事を目論んでいる。

米国は官民を挙げてワクチン開発や供給を支援する「ワープスピード作戦」を推進しており、100億ドルという1兆円を超える予算が投入されている。

更に中国は、感染症対策として約1兆元、15兆円相当に及ぶ特別国債を発行し、ワクチンや治療薬の研究開発に注ぎ込んでいる。

日本はワクチン開発や体制整備などに総額2000億円超の予算が割り当てられている。

欧米ワクチンビッグ4

世界のワクチン市場は、約4兆円ほどある巨大市場で、英グラクソ・スミスクライン、米メルク、米ファイザー、仏サノフィ、の欧米4社で8割のシェアを握っている。
ワクチンは通常の医薬品と違って、特許だけではない、圧倒的な供給力も求められるビジネスなので、必然的にグローバル大企業が市場を牛耳る形となっている。
もちろん新型コロナワクチンの開発においても、ビッグ4が先頭を走って臨床試験を進めている。
新型コロナワクチンが一般に普及するようになれば、更に市場は拡大を見込めるため、将来的には6兆円や7兆円を超える市場となる可能性を秘めている。

ワクチン開発プロセス

創薬

抗原の抽出や遺伝物質の合成を行う。
最近では、人工知能AIやスパコンなどの最先端技術を活用する事で、創薬に着手するまでに掛かる膨大な時間を短縮する事が試みられている。

NECが独自のAIを用いて新型コロナの数千種類の遺伝子情報を解析したり、理化学研究所・富士通の国産スパコン「富岳」で高度なシミュレーションを行って効率的に治療薬候補を探索したりする研究も進んでいる。

臨床試験 第1段階

小規模な被験者で安全性確認

臨床試験 第2段階

用量や免疫反応を調査

臨床試験 第3段階

大規模な被験者で効果を分析

承認・実用化

ワクチン開発は通常、一筋縄ではいかない世界で、一般的には創薬から臨床試験、承認・実用化に至るまで、5年から10年かかり、開発費用も1000億円以上となる例がある。
基本的に有効性や安全性の検証はハードルが高く、臨床試験に進んでも承認されないケースが多々ある。
ただ、先進国のビッグ4が臨床試験できちんと安全性を見極めてる間に、必要な検証をすっ飛ばして中国やロシアの大手製薬企業のコロナワクチンを承認した上で、新興国にばら撒くリスクがある。

ワクチン開発を急ぐ政治問題

新型コロナに感染したトランプ大統領は、ガンガン治療薬を投与して即復帰し、「私の政権下で素晴らしい薬を開発し知識を発展させてきた成果が発揮された!20年前よりも調子が良い!」と嘯いた。
トランプ大統領に眉をひそめる政治家も、国家間の往来を本格的に再開させて経済を再起動させるにはワクチンを実用化するしかない、という根源的な思いは一緒。
世界中の市場や投資家もワクチンさえ開発されればという楽観的な考えを基に株式を買い漁っている。
ワクチンの危険性や抗体の自然消滅による再感染などの報告は、政治家投資家メディアなどの主要エリート層には軽視されがち。

抗体消滅再感染 ワクチン・集団免疫無効説

新型コロナウィルスの再感染が確認されつつあり、しかも2度めの感染がより重症化する傾向があるという研究結果がいくつか発表されている。
1回目と2回目の陽性時のウィルスを比較すると、異なる系統の遺伝子を持っていたという事例も確認されている。

ロシアの奇特な研究者は、わざと2度も新型コロナウィルスに感染して研究した結果、抗体は時間が経過すると自然消滅してしまう事が確認されたと報告している。
2月にフランスでのスキー旅行で感染、回復した後にロシアへ帰国し、ノヴォシビルスクにある臨床実験医学研究所で新型コロナの抗体について研究。
研究中に、博士自身の体内の抗体が急激に減少している事を発見、最初に感染してから3ヶ月後には抗体は無くなってしまい、検出されなくなった。
再感染の可能性を調査するために、保護装置を何も身に着けずに新型コロナ患者に接触、無事再感染。
再感染では更に重症となり、5日間39度以上の高熱が続き、肺炎も発症した。
しかし、抗体はもっと早く消滅してしまい、2週間後には検出されなくなってしまった。

初期症状と潜伏期間

潜伏期間が長く、最大14日、平均は5~6日とされる。
潜伏期間でも感染するというだけでなく、なんと感染力は発症直前に最高になるとされるデータもある。
感染しても多くの人が無症状であるが、無症状でも感染力がある。複製・増殖するために最適化されたとしか思えない、とんでもなく頭の良いウィルスである。

症状が出たとしても、風邪のような症状(37.5度以上熱やだるさ、せき、喉の痛み)が1週間ほど続き、多くの場合はそれで回復する。
体のだるさを訴える患者が比較的多く、症状が長引くのも特徴。
感染力が強い・潜伏期間が長い・症状が長引きやすいと三拍子揃っているため、無症状や軽症でも入院させていけば、入院患者がどんどん増えるのに退院しないから、ベットが足りなくなるのは必然である。

季節性インフルエンザの場合は急に発症し、38度以上の高熱や咳、喉の痛み、鼻水、頭痛、関節炎等が出る。ワクチンも治療薬もある。
SARSウィルスの場合は、発症後7日目くらいが感染力のピークであり、発症者を隔離することにより、2次感染を防ぐ事ができたが、発症前でも感染力の高い新型コロナウィルスは同じ方法では封じ込めない。
毎冬、日本だけで1千万人ほどの患者が発生し、インフルエンザをきっかけとした細菌性の肺炎や持病の悪化で1万人程度が亡くなっているが、新型コロナウィルス肺炎のように急激に悪化し、亡くなる人は少なく、人工呼吸器が不足したり、医療崩壊が起こった事はない。

後遺症

2020年10月30日、WHOのテドロス事務局長は記者会見で、新型コロナウィルスが相当数の人に深刻な後遺症を残す、と警告を発した。
新型コロナウィルスが蔓延してから時間が経ち、子供を含めて年齢や性別を問わずに後遺症が報告されている。

症状は幅広く、時間の経過でも症状は変化していき、体内のあらゆる器官に影響を及ぼす。
疲労感、咳、息切れ、肺や心臓を含む主要臓器の炎症と損傷、神経系や心理面での影響など。
原因などもはっきりしておらず、診断も確立していないため、正確な統計は無く、現時点では後遺症を解消する手段は皆無。
無症状や軽症で大した事無かったはずの子供や若者でも後遺症は数多く報告されている点が要注意。

嗅覚・味覚障害について

若い世代や女性の中には、初期症状として嗅覚・味覚障害を訴える人がいる。
こうした障害はインフルエンザや風邪でもよく見られる。
covid-19による嗅覚・味覚障害は自然に治る事が多く、治療薬も無い。

一般に嗅覚・味覚障害は、鼻・副鼻腔の腫瘍、副鼻腔炎、亜鉛欠乏症によって起きる事が多い。
日本耳鼻咽喉科学会はホームページで、嗅覚・味覚障害だけで新型コロナを疑い、診療機関に来院しないよう呼び掛けている。
嗅覚・味覚に異常を感じても、他に特段の症状が無ければ、自宅で療養すべき。

肺炎

まず最初に確認された主な重症化事例が肺炎である。
肺炎と風邪は感染が起こる部位が異なり、風邪は鼻や喉などの「上気道」の粘膜が感染して炎症を起こすが、肺炎はウィルスが体内に入り込み、「肺胞」が炎症を起こす
新型コロナウィルスでも、ウィルスの侵入が「上気道」に留まれば風邪と同様の軽い症状で済むが、ウィルスが「下気道」にまで入り込めば、重症化し、肺炎を起こすということになる。
肺胞は、生命の維持に必要な酸素を取り込んで血液に取り込む一方、体内で作られた二酸化炭素を外へ吐き出すガス交換(交換)を常に行っている。
この肺胞が炎症して機能が低下すると、ガス交換に支障をきたし、息苦しさを覚えるようになる。最終的に呼吸困難に陥り、人工呼吸器が必要となり、命を落とす事もある。
2018年の国内における肺炎による死亡者数は9万4654人に達し、死因5位で、死亡総数全体の6.9%を占めている。

一方で、特に高齢者や糖尿病などの持病を持った人、肥満傾向にある人、障害者は重症化しやすく、肺炎が急速に悪化し、多くの場合人工呼吸器が必要となる。
70歳以上の感染者のうち10%近くが数週間以内に亡くなり、20代30代でも感染すると500人に1人くらいは亡くなっている。
5%くらいの人が重症化し、呼吸困難となって人工呼吸器が唯一の治療法となる。人工呼吸器が不足すれば、助からなくなり、致死率が急上昇する。
集中治療室での対応が増えれば、病院の対応能力が限界に達し、他の救急患者も救えなくなり、医療崩壊に至る。
イタリア、スペイン、武漢では明確に人工呼吸器の不足と医療崩壊が起こっている。

サイトカインストーム

サイトカインとは細胞から出るタンパク質で、他の細胞に命令を伝達するための物質。
炎症反応を促進する役割を果たす「炎症性サイトカイン」や炎症を抑える役割を果たす「抗炎症性サイトカイン」など、様々な種類がある。
炎症性サイトカインは免疫に関与し、細菌やウイルスが身体に侵入した際に、それらを撃退して身体を守る重要な働きをする。

血管内皮、マクロファージ、リンパ球など様々な細胞から産生され、発熱や倦怠感、頭痛、凝固異常など全身性あるいは局所的な炎症反応の原因となる。
covid-19感染が肺に起こり細胞に炎症が起きると、炎症性サイトカインがその細胞から分泌される。
そして感染の量が増えると炎症の量も多くなり、特にIL-6(インターロイキン6)が大量に放出される、この現象がサイトカインストームである。(サイトカインの稲妻、サイトカインの暴走、免疫暴走)

サイトカインストームが起きると、サイトカインによる影響(発熱や倦怠感、凝固異常)が過剰に起きるようになり、全身状態の悪化や血栓形成に繋がる。

サイトカインストームによって血液の凝固異常が起きて血栓が形成され、それによって心筋梗塞、肺塞栓、脳梗塞、下肢動脈塞栓が起こる可能性がある。

また、IL-6は特に関節の炎症、痛み・腫れ、骨や関節の破壊なども引き起こし、関節リウマチの原因ともなっている。

そこで注目されているのが、IL-6の働きを抑制して関節リウマチを治療する事を目的に開発された、アクテムラ(一般名:トリシマブ)である。

肥満は特に高リスク

ロンドン大学の報告では、ICUに入室治療したcovid-19患者の73%が男性で、そのうち73%がBMI25以上の過体重だったというデータがある。
ICU治療後に退院出来た患者の比率では、BMI25未満の普通体重では56%だったのに対し、BMI30以上の肥満者では42%に過ぎなかったとされる。

肥満者は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を合併する事が多く、心臓病になりやすく抵抗力も弱い。
同じ肥満でも女性より男性が重症化しやすいことから、特に内臓脂肪型肥満が悪影響を及ぼしていると考えられている。

内臓脂肪型肥満の人は脂肪蓄積のために全身の慢性炎症状態になっているため、ウィルス感染を契機に内臓脂肪から大量のサイトカインが放出され、サイトカインストーム起きる事が原因ではないかとされている。
内臓脂肪が蓄積すると、横隔膜を押し上げ、肺活量が低下するなど肺機能も低下するため、換気が不十分となって酸素飽和度が下がり、最終的には二酸化炭素の増加に繋がると考えられる。

重症化しやすい人の特徴

  • 65歳以上(重大な基礎疾患を抱えている可能性が高いという要因もある)
  • 慢性呼吸疾患、中等度~重症の気管支喘息
  • 重篤な心疾患
  • 免疫不全患者
  • がんの治療
  • 喫煙
  • 骨髄移植
  • 臓器移植
  • HIV感染症
  • ステロイドなど免疫抑制薬の長期使用
  • 重度の肥満 BMI40以上
  • 人工透析、慢性腎疾患
  • 肝疾患
  • 障害者全般
  • 有害な微粒子による大気汚染の酷い地域に住む人々

障害者問題

2020年5月6日、国連のグテレス事務総長は健常者に比べて障害者は死亡するリスクが高く、保護強化を求める提言を発表した。
集中治療室や人工呼吸器の利用が後回しにされるなど差別的な基準を設けている国もある。
世界の障害者数は約10億人で総人口の15%を占める。
60歳以上の高齢者では46%に達する。

欧米では高齢者介護施設・老人ホームで大量の死者が発生している。
特に施設そのものが見捨てられるケースも多く、放置された老人がベッドの中で死去している事例なども報告されており、検査も充分に出来ていないため、新型コロナウィルス感染症による隠れ死者が多数存在しているものと推測されている。
スタッフは介護で食事や排泄の世話や歩行の補助など、あらゆる場面で濃厚接触する機会が多く、防護具などが不足している事も相まって非常に感染リスクが高くなっている。
日本でも、特別養護老人ホームが、集団感染の温床となっている。

PCR検査(核酸増幅法検査)

患者の痰や鼻孔・咽頭を綿棒などで拭って保存した検体を、専用の試薬と混ぜ合わせ、新型コロナウィルスがあれば、ウィルスからRNAが抽出され、陽性と判断される。
ただ、患者から得る検体には確定判定を下すに十分なウィルスの数は含まれていないため、新型コロナウィルスのRNAだけを増幅させる試薬を混ぜ、判定出来る量まで増幅する必要があり手間が掛かるため、1回6~9時間掛かる。
更に精度も高くはなく、70%程度とされるため、偽陽性や偽陰性が数多く出てくる。

PCR検査 偽陽性と偽陰性問題

検体採取の仕方に問題があると、そもそも「ある」はずのウィルスが「ない」という事で陰性と判断されてしまう。
だから、PCR検査をやって陰性だから安心という証明にはならない。
職場から「陰性の証明を持ってこいと言われた」という話もあるが、その時に陰性でも翌日に陽性となっている事もある。
つまり、検査を受けた人にとって、「陰性」という結果は使い物にならない。

PCRの感度が高すぎる事による弊害もあり、それが偽陽性につながる。
PCR検査では検体内のウィルスの遺伝子を対象にしている。
本来の感染管理であれば生きているウィルスの情報が必要となるが、それを得る事が出来ないから、検体内のウィルスの遺伝子を調べる事になる。
すると、ウィルスの死骸にたまたま触れて鼻を触ったというような時でも陽性になり得る。
本当に陽性であっても、生きているウィルスではなく人に感染させない不活性ウィルスであるかもしれず、これが偽陽性が発生する原因となる。

PCR検査では目的をはっきりさせる必要がある

インフルエンザのように有効な治療薬があり、すぐに処方可能な環境が整っているのであれば、どんどん検査をやる意味はあるし、「陽性」という結果が役立つ。
しかし、確実な治療法の存在しないcovid-19においては、闇雲な検査をする事に意味は無い。

日本ではいつまでもPCR検査をやってくれないという話が出ているが、症状が悪化すればCTを撮ったり呼吸を見たりして肺炎の治療をきちんと行なっている。

もしコロナだったら〜と心配する気持ち、特にテレビのワイドショーに煽られて不安心理が高まっている人々が多く居る現状はあるが、PCR検査に関わる資源には限りがあり、陰性の結果が出ても安心出来るというわけではない事から、不安を解消したい、検査を受けて安心したいという気持ちの問題だけで無闇に検査を実施するべきではない。

検査を担う技師は一朝一夕で育成出来ない

検査資源として検査出来る場所を増やしたといっても、多くの場合それは検体を採取出来る場所を増やしたという事であって、そこで検査が出来るというわけではない。
実際に検体が送られてきて検査を行う地方の衛生研究所はギリギリの状態。
特に検査技師の問題が大きい。
マイクロリットル単位で何種類もの試薬を順番を間違えずに加えるという根気と技術力が必要な仕事である。
キャラクターの問題もあって、長期間根気よくコツコツと取り組める人でないと向かない仕事でもある。手先も器用である必要がある。
大本のボトルを汚してしまって全て陽性になってしまったというような事故も起きている。
空中にウィルスが飛んで他の検体に落ちてしまう事のないように部屋を分けて、管理に細心の注意を払う事も必要となる。
昔からPCR検査は大変だと言われていて、その技術を持つ人の育成は一朝一夕にはいかない。

テレビのコメンテーターになっているような医師たちが「私も研究で何百回となくやりましたが」とコメントしていたりもするが、自分の研究のために大した時間の制約なくやっている先生たちと、現場の医師の置かれている状況は全く異なる。
現場には次から次へと検体が送られてきて時間に追われ、かつ失敗が許されないという緊張を強いられながら仕事をしている。
テレビのコメンテーターをやっているような偉い先生方の、「検査技師」なんてという上から目線にも問題がある。

日本では新しい病原体を大量に検査する事は想定されてなかった

専門家会議の資料にて、「制度的に、地方衛生研究所は行政検査が主体。新しい病原体について大量に検査を行うことを想定した体制は整備されていない」と指摘されている。
残念ながらシステムとして大量検査の仕組みがないので、今ある資源でなんとかするしかない。
海外と比べて検査が少ないからと無理に検査を増やそうとすれば、検査崩壊が起きる可能性もある。

全自動検査機器も万能ではない

全自動で検査出来るPCRの機種は限られており、現状ではどこの施設でも使えるわけではない。
主要なメーカーはアメリカ企業なので、急に大量に購入しようとしても供給が受けられるかどうかは分からない。
単純に値段が高くて簡単には購入出来ないという問題もある。
全自動だからと際限なく検査すれば、結局は試薬や他の資材の不足が生じる事にもなる。

全自動であれば、技師のミスによる偽陽性がたくさん出るという事態は防げる。
だが、感度が高いことによる偽陽性の問題や検体採取の難しさによる偽陰性の問題など、PCRの根本的な問題は全く解決しない。
むしろ全自動という言葉が一人歩きして、医師を含む一般の人々が無謬の検査のよう印象を持ってしまう恐れがある。

簡易検査は極端に感度が低く、偽陰性となるリスクが高い

イムノクロマト法で抗原検査なら簡単で15分で可能とされている。
だが、その感度はPCR検査に比べたら格段に低く、ほとんどで陰性という結果が出てしまう恐れがある。
それで出た検査結果をPCR検査による結果と同等と見做すのかという問題が生じる事になる。
その結果の解釈と使い方を予め決めておかないと、安易に簡易検査を実施してしくと、混乱を招く恐れがある。

PCR検査が少なくても、死亡者はちゃんと把握できている

死亡者に関しては、日本ではちゃんと把握出来ており、肺炎で亡くなる人はそれほど増えていない。
超過死亡(感染症流行時に過去の統計などから予想される死者数を実際の死者数が上回る部分)で見ても、死亡者の数は他の年よりも低い場合もある。
検査が少ないので、感染のほとんどが拾い切れていないというような事実はない。

CT検査 X線画像で肺炎症状を診断

CT検査とは、CT(ComputedTomography コンピュータ断層診断装置)にて、X線を使って身体の断面を撮影する検査。
特に心臓、大動脈、気管支、肺、肝臓、腎臓などの病変を発見する能力に優れている。
covid-19の感染が疑わしい例に対してもCT画像で肺炎を早期発見出来る可能性があり、重症化リスクの見極めや入院の必要性などの判断の手助けともなっている。

PCR検査がウィルスの遺伝子を検知するのに対し、CT検査はX線で肺などの様子を詳しく調べる。
ウィルスが見えるわけではなく確定的な診断には使えないが、肺炎があればその程度や特徴が分かる。陽性の可能性があれば、PCR検査の結果を待たずに専用病棟に移すなどの対応を進める事が出来る。
PCR検査では分からない重症度を見極めるのに役立っている。

日本のCTの保有台数は世界一で、人口100万人あたり約112台。
欧米各国は概ね50台以下であり、海外に比べてもCT検査を受けやすい環境が整っている。

画像診断の専門医が少ないのが課題ではあるが、足元ではオンラインの画像診断サービスの利用が拡大している。
医療機関から届く画像の遠隔診断支援を手掛けるドクターネットでは、2020年2月中から新型コロナウィルスによる肺炎の疑いのある画像が寄せられ、4月には1日100件を超すようになっている。

日本医学放射線学会がまとめた提言では、PCR検査に置き換わるものではないとしつつ、当面の対応として入院などの診断にCT検査を活用する事は許容されるとした。
特に症状が重い場合などは、優先的に診る患者を判断するトリアージのためのCT検査を推奨するとしている。

ただ、covid-19関連以外にもCT検査が必要な人は大勢おり、感染者が増大すると対応が追いつかなくなる可能性があるため、日本医学放射線学会も「全ての新型コロナの患者にCT検査を勧めているわけではない」としている。

2020年5月4日には、専門家会議の尾身茂副座長が記者会見にて、
「日本はPCR検査は少ないが、CTの数は世界的にみても多い。肺炎を起こすような重症例についての見落としは少ない」と説明している。

スウェーデン式”緩い”コロナ対策

2020年8月時点において、当初は批判も多かったスウェーデン式の緩やかなコロナ対策が結果を出し始めている。

スウェーデン政府は2020年7月に、「COVID-19パンデミックにおけるスウェーデンの経験」と題したリポートと動画をウェブサイトで発表した。

世界的な機器の中で各国間の建設的な議論を換気し、次のパンデミックが起きたときに国際社会がより良い対策を取れるようにする事が目的だとされているが、自国の対応こそが正解に近いという自負も滲み出ている。

スウェーデン政府は、「感染対策で求められるのはあくまでもフィジカルな距離であり、人々が社会的に距離を取る事ではない。語り合い、支え合い、解決すべきだ」という見解を示している。

英国などの近隣諸国が厳しい外出規制を伴うロックダウンを敢行したのに対し、スウェーデンでは店舗などが営業を継続し、学校も閉鎖しなかった。

スウェーデンの保険当局が掲げた対策は、「70歳以上の人はなるべく自宅に居る」「50人以上の集会は禁止」「飲食店内はソーシャルディスタンスを保つ」といった比較的緩やかな規制。

かなり早い段階で、小さな子供は両親や周囲にウィルスを感染させる脅威ではなく、パンデミックを引き起こさない事が分かっていたといい、幼稚園や小学校は休校にしなかった。

イギリスでは3月から半年弱にわたって小学校を休校にしたが、ジョンソン首相は2020年8月9日に英紙メール・オン・サンデーへの寄稿で、2020年9月に小学校を再開することに「道義的責任がある」と述べて、実質的にスウェーデンの方針に追随する形となった。

当初2020年4月下旬頃には新規死者数が100万人あたり10.6人と当時被害の大きかったイタリアを上回っており、周辺国からも批判が出ていた。

だがその後は減少に転じ、2020年8月上旬時点では0.3人となり、英国も下回った。

スウェーデンの8月上旬時点での死者数累計は約5800人で、9割が70歳以上の高齢者だった。

高齢者施設での集団感染が防げなかった事が一因とされる。

スウェーデン保険当局は、ロックダウンには失業やドメスティックバイオレンスDVが増加するといった副作用もあるとして、春先に厳しいロックダウンを敷いた欧州諸国を暗に批判している。

世界保健機関(WHO)で緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏は4月下旬、「スウェーデンの方法は将来のモデルになるかもしれない。対人距離の確保や自己規制などについて、市民の能力ややる気に依存し、コミュニティーを信頼しているのが特徴だ。国民とのパートナーシップを通じて公共政策を実施しており、学ぶことはある」と述べている。

WHOは一度もロックダウンを推奨した事はなく、人々の行動制限がウィルスの感染を抑え込む明確な証拠がないとされる。

事実、厳しいロックダウンを行った英国や米国で感染は抑え込めていない。

WHO内で、ロックダウンの負の部分も含めて検証する必要があるという議論もなされている。

WHOのライアン氏は7月27日の記者会見で、「各国が国境を閉鎖し続けることはほぼ不可能なだろう」と指摘し、「経済を開放し、人々は仕事を行い、貿易は再開されなければならない」と述べ、経済を動かしながらウィルスを封じ込める努力を継続する事が重要だとの認識を示している。

経済活動を止めなかったスウェーデンでも、周辺国と同様に世界的な需要減少から逃れることは出来ず、2020年の成長率は周辺国と同等のマイナス7%と見込まれている。

新型コロナウィルス「中国型」「欧州型」「米国型」

新型コロナウィルスの遺伝情報を調べる事によって、感染経路や変異の様子などが判明してきている。
主に「中国型」「欧州型」「米国型」に分類でき、それぞれの地域で爆発的に広がった。
欧米の研究者らが作る国際データベース「GISAID」では患者から採取したウィルスのゲノムが公開されている。
2020年5月上旬までで5千人分のウィルスのデータが集まっている。
このデータを集めた「ネクストトレイン」によると、1月中旬に中国・武漢から中国型のウィルスが世界に拡散し始めた。
欧州では1月下旬~2月上旬に、変異した欧州型が無症状の旅行者を通じて各国に広がったとみられる。
その後、ウィルスは変異を繰り返しながら、3~5週間で国境を超えていった。

米国では、ニューヨーク州で欧州型が主流だったが、他の州では更に変異した米国型が多く報告されている。
中国の他、様々なタイプが米国内に入ってきており、それらが感染者の体内で融合して生まれたとみられる。

米ドレクセル大学の研究チームはゲノム変異の違いを「指紋」という形で分類し、17種類となっている。
世界で感染者が増えるにつれ、変異のペースは上昇している。

日本国立感染症研究所は、3月以降に主に欧州型によって全国に感染が広がったとする分析をまとめた。
1~2月に中国から日本に入ったウィルスは封じ込めに成功したが、その後欧州で流行しているウィルスが帰国者らを通じて流入し、対策が不十分なまま都市部から全国に感染が広がったと考えられている。

ドレクセル大学の解析では、大規模な渡航制限に踏み切った中国や香港では、欧州型は検出されていない。

受容体たんぱく質ACE2が重症化の鍵を握る?

ACE2とは、心臓や腎臓などの細胞表面にに多いとされる受容体たんぱく質。
心臓の保護、血圧や血管の調整などの機能があることが知られている。
SARSウィルスや新型コロナウィルスには突起状のスパイクたんぱく質が多数あり、これを「鍵」とすると、ACE2が「鍵穴」となって結びつく。
スパイクたんぱく質は細胞の膜にあるたんぱく質の分解酵素によって切断され、ウィルスの膜と細胞の膜が融合する。その結果、ウィルスが細胞内へ侵入し、増殖を始めると感染となる。
ACE2は肺や心臓、腎臓、腸など人体の広範囲に現れる。
持病や喫煙の影響で、臓器などの細胞表面にあるACE2の数や働きが変化する事を示唆する結果が出ている。

米疾病対策センターCDCが公表した7100人超の患者の健康状態に関する初の報告書によると、持病として心臓病などんお心血管疾患を持っていた人の約6割、糖尿病の約5割は、入院したり集中治療室ICUで治療したりしていた。
持病を持たない人の8割強は入院しておらず、持病を持つと重症化しやすいことを改めて裏付けている。

糖尿病や高血圧では、治療薬がACE2の増加を誘引する可能性があるとの報告がある。
米ルイジアナ州立大学の動物実験では、治療に使うアンジオテンシン変換酵素ACE阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬が、肺などのACE2を増加させていた。
ただ、糖尿病や高血圧の患者が感染しやすいという十分なデータがあるわけではなく、患者の薬の使用は継続すべきとされている。

糖尿病患者の重症化も複数の要因が関係するとされている。
糖尿病では肺のACE2の発現量が増えるという報告などもある。
糖尿病になると、基本的に感染症に対して弱くなる。
糖尿病に伴う心臓や腎臓などの障害のため、基礎体力が落ちている可能性がある。

感染者に急性腎不全を起こすケースも相次いで報告されている。
腎臓の細胞にはACE2が多いことから、重症化の一因になっている可能性がある。
ACE2と血栓の発生の関係なども指摘されている。

欧州疾病予防管理センターECDCは、ACE2が喫煙で活性化するため、喫煙者が感染すると、重症化する恐れがあると指摘した。
中国・華中科技大学などの研究チームの調査では、喫煙者の肺炎が起こるリスクが非喫煙者に比べて14倍も高かった。
細胞実験などで、タバコの煙中のニコチンが気道上皮細胞のACE2の数を増やすなどの報告もあり、ウィルスが感染しやすくなっている可能性がある。

そもそも喫煙すると、気道上皮の粘膜などが傷つくため、異物を体外に運ぶ線毛がなくなるなど、ウィルスの防御機能が下がる。

新型コロナウィルスはACE2と結合しやすいという結果も出ている。
米テキサス大学オースティン校の研究グループは、ウィルスのスパイクたんぱく質がACE2に結合する強さは、SARSウィルスの少なくとも10倍になる事を示した。
その結合を阻止する既存薬が、ACE2の働きを抑える可能性がある。

国立感染症研究所や産業技術総合研究所などの研究グループは、細胞実験やコンピュータによる解析で、新型コロナウィルス感染症に、抗エイズウィルスHIV薬ネルフィナビルと白血球減少症治療薬セファランチンの併用が効く可能性があると明らかにした。
産総研の広川貴次上級主任研究員は、「セファランチンはウィルスのスパイクたんぱく質とACE2がくっつくのを妨げる構造をしている」とし、薬候補とみている。

子供がcovid-19に感染しにくい謎

多くの研究で、子供はcovid-19に感染しても軽症で済む事が分かっており、感染した子供の94%は無症状か軽中症で済んでいるとみられる。
世界中の新型コロナウィルス感染者のうち、子供の割合は5%に満たないとされる。

だが全世界で26万人を超える死者を出しているウィルスで、なぜ子供が軽症で済むのかははっきりしていない。

大人が重症化する理由の一つは、「サイトカイン放出症候群」と呼ばれる大きな免疫反応で、心臓や肺に影響をもたらす。
例えて言うならば、村にやってきた数人の泥棒相手に軍隊と大砲を動員し、泥棒の駆逐には成功するが、村は破壊されてしまう、そいった現象である。

子供の身体は、こうした過剰な免疫反応を示す事は珍しく、病気の制圧と身体へのダメージとでちょうどいいバランスをとっているようにみられている。
子供と大人の間で反応が異なる理由は不明である。

一般的にウィルス量が多いほど症状は重くなり、ばら撒くウィルス粒子の量が増え、他人に伝染させやすくなる。
だが、子供から綿棒で採取した数千の標本を研究したところ、子供の感染者が保持しているウィルス量は大人とほぼ同じ量だったという。
そういった意味では、無症状の子供も大人と同程度の感染力を持っていると推定される。
そのため、学校や幼稚園再開の判断は、より一層難しくなる。
子供の感染力についても、まだまだ研究が必要な段階である。

もし、ウィルスに対して大人が子供と同程度の適度な免疫反応で抑える事が出来れば、理想的だ。
まだまだウィルスの謎を解く研究は世界各地で続く。

乳幼児で川崎病と見られる症状とcovid-19の併発感染が見られる謎

川崎病は血管が腫れ上がり、目の充血や唇のひび割れが出る症状が特徴的で、米国での発症率は、5歳未満の子供の1万人に1、2人の程度。
このため、スタンフォード大学パッカード小児病院の医師たちは、乳児が新型コロナウィルス検査で陽性反応を示した事に大きなショックを受けた。
基本的には大多数の子供が症状が悪化しないにも関わらず、ごく稀に激しい炎症を起こす川崎病を発症する理由は不明である。

日本川崎病学会は2020年5月9日に、現時点では新型コロナウィルスと川崎病の関連を示すような情報は国内と近隣諸国では得られていないとする見解をホームページ上で公表した。
同学会の運営委員を通じて国内の川崎病の発生状況を調べた結果、2月から4月に患者数が増えたという回答は無かったという。

学齢期の子供のコロナ 小児多臓器系炎症性症候群

アメリカのCDCが「小児多臓器系炎症性症候群」と呼ぶ症状では、全身に炎症が広がり、心臓の機能を損なわせる事例が報告されている。
この症候群は川崎病とは異なり、乳幼児ではなく主に学齢期の子供に発症するとされ、一般的にcovid-19の初期症状と考えられる発熱や咳、呼吸困難などの症状を経験しなかった子供に現れる事が多いとみられる。

手に赤みを帯びた発疹が出来たり、目が充血したり、腹痛を起こしたりといった初期症状からから急激に症状が悪化してリンパ節が晴れて高熱が出て心拍数が跳ね上がり、極端なまでに血圧が低下する。

covid-19の影響により、全身の血管が炎症を起こし、血管炎のような状態に陥り、血管の筋肉が血流を正常に制御出来なくなる事によって、重要な臓器に酸素と栄養素を供給する機能に支障が出て、最終的に心臓に致命的な損傷をもたらし、死に至る可能性もあると考えられる。
アメリカ政府の新型コロナウィルス感染症対策チームで重要な役割を果たしているアンソニーファウチ博士は2020年5月中旬、上院で開かれた公聴会で子供の症状について触れて、「この有害な病気に対して、こどもたちが完全な免疫を持っていると軽々しく思い込むことのないように注意しなくてはならない」と警告を発した。

2020年5月17日時点で、ニューヨーク州で小児多臓器系炎症性症候群で3人の死亡が報告されており、ニューヨーク市内だけでも137人の子供の症例が調査中となっている。

人への最初の感染 2019年10月だった可能性

新型コロナウィルスの人への最初の感染が2019年10月6日から12月11日の間に起きていたと推定する論文をロンドン大学などの研究者らが発表した。
研究者らは世界各地から集めた約7700の遺伝子情報から、新型コロナウィルスの主な突然変異を特定。
度重なる変異により多様化したウィルスについて分析し、最も近い共通祖先に当たるウィルスを探し出して最初の感染の時期を推定した。

精液からウィルスが検出 性行為での感染リスクは?

2020年5月7日 covid-19の男性患者の精液からウィルスが検出されたとする中国の研究が、医学専門誌「JAMA Network Open」で発表された。
科学者らによると、性交渉による感染の可能性を判断するには、さらに研究を重ねる必要があるという。
また、該当の研究はサンプルが中国河南省の病院の38人の男性患者であり、サンプルの規模が小さい事にも注意が必要とされている。
新型コロナウィルスは、既に便、尿、唾液などからも検出されている。
ただ、精液からウィルスが検出される感染症は他にも数多くあり、この研究結果はそれほど意外なものではありません。

2016年にブラジルで流行した蚊媒介感染症であるジカウィルス感染症では、感染した妊婦の一部で胎児に小頭症などの先天異常がみられた。
このジカウィルス感染症は性感染症としての側面もあり、流行地域から帰ってきた人と性交渉をした後にジカウィルス感染症を発症した事例が複数報告されている。
実際にジカウィルス感染症患者の精液や腟分泌液からジカウィルスが検出され、性行為で感染する事が確認されている。

ウィルス性出血熱として知られるエボラ出血熱も性行為で感染する事がある。
感染から半年経過した後にパートナーと性行為をして感染させてしまった事例が報告されており、この事例では半年後でも精液中からエボラウイルスが検出されている。

他に感染経路が知られている感染症であっても、性行為を介して感染する事がある。
精液中は、ウィルスがヒトの免疫機構から逃れやすいためなのか、長期間ウィルスが残留する事例が報告されている。

ただ、新型コロナウィルスが性感染症であると判断するのは意外と難しいハードルがあります。
判断が難しい最大の要因としては、たとえ性行為後に感染したとしても、どちらかというと飛沫で感染した可能性も高いため、性行為で感染したとは断定出来ません。
唾液から新型コロナウィルスが検出されている事は確実であるため、どちらかといえば、通常のセックスよりも、キスやオーラルセックスによって感染する可能性が高いといえます。

どちらにしろ、お互いマスクとフェイスシールドを着用し、接触は最低限生殖器のみとし、性行為以外ではお互い隔離して別々の部屋でシャワーを浴びる・・・なんて対策してセックスするわけじゃないので、普通にセックスを行えば、飛沫感染のリスクは甚大であろうと推測されます。

ちなみに膣や腟分泌液からはウィルスが検出された例はなく、膣内にも新型コロナウィルスの受容体であるACE2受容体は発現しないようだとされています。
一方、舌にはACE2受容体が多数発現しており、唾液からもウィルスが検出されている事から、やはりキスは感染リスクが高いといえます。
便中からもウィルスは検出されており、肛門からも検出された事例があるようなので、アナルセックスも感染リスクがあるといえます。

高温多湿でも感染力は衰えない?

季節性インフルエンザなど飛沫感染するウィルスは、低温低湿の環境であると感染力が高まり、気温と湿度が上昇していけば、感染は収束していくはずだった。
しかし、流行初期の2月25日頃に、当時真夏だった南半球のオーストラリアで22人の感染者が出ており、亜熱帯のシンガポール、インドやアフリカ諸国でも感染者が出ているため、気候はそれほど関係しないとの見方が出ている。

しかし、その後感染が世界に広がるようになってからは、南半球の国々では極端に死者が少ないという事実も判明した。
4月15日までの間で、スペインやイタリアで100万人あたりの死者が300人を超えていたのに、同じ時点でブラジルの死者は100万人あたり7人、オーストラリアは2人と統計的に有為なレベルで少なかったというデータがある。
南半球ではまだ残暑が残るくらいの時期であった。
いよいよ本格的に秋から冬を迎える事になるのが、5月である。
5月上旬時点で、ブラジルの100万人あたりの死者は37人。新型コロナはやはり冬に流行する病気ではないかと考えられる。

熱中症対策も必要に

気温が上がっても感染が完全には収束しない中、夏場でもマスクを着用する必要が生じ、熱中症も同時に心配しなければならない事態となった。

基本的には、マスクを着用する事で体温が上昇したり、熱中症を直接的に招いたりするわけではない。
口の周りは感覚神経が密集し、体の他の部位より暑さを感じやすいため、体感温度が上がる。
心理的にも不快感が増大し、無視出来ない悪影響がある。

マスク内の湿度が上がるため、喉の渇きに気付きにくくなるというデメリットもある。
特に高齢者は元々喉の渇きを自覚しずらいため、知らないうちに脱水が進んで熱中症になってしまうリスクが高くなる。
なるべくマスクを外したくないという心理も働いてて、より一層水分補給を避けがちになってしまうリスクがある。
そのため、マスク着用時に、より一層積極的に水分補給をしていく事が大事となる。
ちなみに、水分補給には喉の粘膜に付いたウィルスを胃に流し込む効果もあるので、新型コロナの予防にも一定の効果がある。運動時のマスク着用にも注意が必要となる。
スポーツ庁は、運動時に出来るだけマスクを着用するよう呼びかける一方で、マスクを着用した状態でいつも通りの運動をすると負荷が上がりすぎる危険性があるので、運動速度を落とすなどの調整を行う事を求めている。
マスクを着用しての運動は、スポーツ選手が敢えて低酸素状態で負荷を高めるトレーニングを行うような状態に近くなってしまうため、熱中症の危険性もより一層高くなる。

そもそも外出自粛の影響で、例年以上に運動不足になっているため、運動などで汗をかくことによって暑さに体が慣れていく「暑熱順化」が出来ていない問題もある。

熱中症とcovid-19の初期症状は似ている?

  • 倦怠感
  • 頭痛
  • 筋肉痛
  • 発熱
  • 味覚障害

covid-19でみられる上記の初期症状は、熱中症でも同様の症状が現れる。
暑くなった時期に、体調不安を訴える患者らがcovid-19の症状とすぐに見分けが付かずに医療現場を訪れれば、医療現場に混乱を招く危険性がある。

大気汚染による影響

ハーバード大学が4月に公表した研究論文によると、有害な微粒子による大気汚染の酷い地域では、新型コロナウィルス感染症による致死率が高くなる傾向にあるという。
ドイツのハレ・ビッテンマル・マルティン・ルター大学が公表した論文では、フランス。スペイン、ドイツ、イタリアの新型コロナ死者の78%は、自動車や火力発電所が排出する窒素酸化物による大気汚染が最も深刻な5地域に集中していた。

ウィルスの生存期間

物・場所生存時間
プラスチック72時間
ステンレス48時間
ボール紙24時間
密閉空間におけるエアロゾル3時間

感染力の強さを示す基本再生産数

基本再生産数は、「1人の感染症患者から何人に感染させるか」を表す数。
1人の感染者が生み出す2次感染者数の平均値。
covid-19の基本再生産数は暫定的に1.4~2.5と見られており、1人の患者が2~3人に感染させる。

SARSは2~5で、季節性インフルエンザは2~3、麻疹(はしか)は12~18である。
基本再生産数だけで比較すれば、covid-19の感染力は強くないと言える。

実行再生産数

感染症の流行時に感染者1人から平均何人に感染させるかを表す数。
実行再生産数が1を上回れば感染が拡大し、下回れば縮小に向かう。

2020年5月1日の専門家会議の提言によると、全国の実行再生産数は宣言前の3月25日に「2」だったが、宣言後の4月10日には「0.7」に低下。
東京都は感染者数が増加し始めた3月14日に「2.6」、25日の東京都の外出自粛要請を挟んで新規感染者数の伸びが鈍化し、4月10日には「0.5」に一気に下がった。

2020年1-3月 日本全体での死亡者数合計36万8793人 前年同期比1万867人減

超過死亡とは、新型コロナウィルス感染症による真の死亡数を把握するための指標である。
この数字には、ウィルス検査を受けずに亡くなった人や、別の原因で死亡した可能性があるが医療提供体制への負荷が高まり治療を受ける事が出来なかった人も含まれている。

新型コロナウィルス感染症が拡大した2020年1-3月の人口動態において、過去と比べて日本全体の死亡数は増加していなかった。
過去5年の同期間の平均も0.7%下回っている。
従って、日本では超過死亡は発生しておらず、covid-19による影響を封じ込める事に成功したといえる。

そもそもコロナウィルスとは?

コロナウィルスは50種類以上存在し、人間に感染するコロナウィルスは6種類。
コロナウィルスという名称は、電子顕微鏡を通して見えるスパイクで出来た輪の形にちなみ、王冠を意味するラテン語「コロナ」に由来する。
うち4種類は感染しても普通の風邪と診断されるヒトコロナウィルス(宿主:ヒト)であり、過去に重症の肺炎に繋がるものはSARS-CoV(宿主:キクガシラコウモリ)とMERS-CoV(ヒトコブラクダ)の2種類だけである。
今回のSARS-CoV-2は、人間に感染するものとしては7種類目、重症の肺炎に繋がるものとしては3種類目となる。
SARS-CoV-2の宿主は不明で、発生源も不明、まだまだ不明な点の多い謎の新型コロナウィルスだ。
過去の新型コロナウィルス
2002年 SARSコロナウィルス(SARS-CoV)
2005年 ヒトコロナウィルスHKU1(HCoV-HKU1)
2012年 MERSコロナウィルス(MERS-CoV)

新型コロナウィルス感染症の治療薬候補

候補薬名治療用途製薬会社名
アビガンインフルエンザ富士フィルム 富山科学
レムデシベルエボラ出血熱米ギリアド・サイエンシズ
カレトラエイズ米アッヴィ
オルベスコ気管支ぜんそく帝人ファーマ
フサン急性膵炎日医工
クロロキンマラリア複数メーカーが製造
プラケニル自己免疫疾患仏サノフィ
ストロメクトール
(イベルメクチン)
寄生虫感染症マルホ
高免疫グロブリン製剤
(TAK-888)
武田薬品工業
アクテムラ関節リウマチ中外製薬

レムデシベル covid-19治療薬世界最速承認

レムデシベルはギリアド・サイエンシズが開発を進めていた、エボラ出血熱を対象とした注射薬。
ただ、臨床研究としてコンゴ民主共和国のエボラ出血熱患者に投与されたのみで、covid-19が発生するまでの間に、エボラ治療薬として承認はされていなかった。

レムデシベルはRNAポリメラーゼという酵素の働きを妨げ、ウィルスが増殖するのを抑える効果がある。
コロナウィルスもエボラウイルス等と同じく、RNAポリメラーゼを作り出し、自らのRNA情報の複製を使って増殖するため、その増殖を抑える効果を発揮しているものとみられている。
レムデシベルは点滴で投与する注射薬であるため、人工呼吸器等が必要とされる重症患者に対しても投与が可能。
臨床研究のデータからも、人工呼吸器を必要とするなどの重症患者の死亡率を改善する効果が期待されている。

報告されている副作用としては、肝機能低下、下痢、皮疹、腎機能障害などの頻度が高く、重篤な副作用として、多臓器不全、敗血性ショック、急性腎障害、低血圧が認められている。
厚労省も重大な副作用として、「急性腎障害、低血圧、吐き気、嘔吐、発汗、振戦(震え)」などを挙げて注意を促している。

アメリカ食品医薬品局FDAは2020年5月1日、レムデシベルをcovid-19の重症入院患者に対する治療薬として緊急使用許可EUAを与えた。緊急使用許可はFDAによる正式な承認とは異なり、一時的に使用を認めるものである。

アメリカで緊急使用許可が下りた事を受け、日本では5月4日に承認が申請され、わずか3日後の7日に厚生労働省がレムデシベルを特例承認した。
特例承認は、①緊急の使用が必要、②この医薬品の使用以外に適切な方法が無い、③海外で販売などが認められている、という3つの要件を満たす医薬品を迅速に承認するもの。
対象疾患や対象国が政令で定められていたため、日本政府は5月2日に政令を改正してギリアド・サイエンシズからの承認申請に備えていた。
FDAの許可はあくまでも一時的な使用を認める緊急使用許可であり、日本が世界最速でcovid-19の治療薬を正式承認した形となった。
特例承認の要件が欠けた場合には取り消す事も可能であるため、例えば米国でEUAが取り消された場合などには、日本でも取り消す可能性がある。
重症患者を対象とするとなっているため、原則は人工呼吸器などを使っている入院中の患者に投与される事になると考えられている。

日本での承認は、米国立アレルギー感染症研究所NIAIDの主導で重症患者を対象に行われた臨床試験と、ギリアドが重症患者を対象に実施中の臨床試験、人道的見地から投与した経験などに基づくもの。
NIAIDの私権の予備的な解析では、10日間の投与により回復までの期間が31%早まった。
有意差はないものの、29日後までの死亡率にも改善傾向がみられた。

アビガン 日本発の治療薬 レムデシベルの次に承認(予定)

富士フィルム富山化学が開発した治療薬で、一般名ファビピララビル。
2014年3月にタミフル等の既存治療薬が効かない新型インフルエンザに対する抗ウィルス薬として承認され、200万人分が既に備蓄されていた。
ただ、covid-19の治療の際には、新型インフルエンザ治療時の約3倍の服用が必要とされているため、備蓄分は約70万人分となる。

アビガンもレムデシベルと同様に、ウィルスが作ったRNAポリメラーゼの働きを妨げて増殖を抑える薬である。
アビガンは口から飲む経口薬であるため、口から薬を飲む事が可能な程度の重症度である必要がある。
これまで臨床研究などのデータからも、軽症から中等症のcovid-19患者が重症化させずに、早く改善させる効果が期待されている。

最も懸念される副作用としては、胎児の催奇形、初期胚の死産、流産がある。動物実験において認められた副作用で、実際に人での副作用は認められていないが、妊婦や妊娠の可能性がある人に対して投与するのは注意が必要とされる。
さらには今後妊娠を望む女性や、パートナーの男性(アビガンは精液にも移行する)への投与に対しても注意をすべきではないかとも指摘されている。

他に副作用としては、尿酸増加、下痢、好中球減少、肝機能障害が高い頻度でみられている。
他の抗インフルエンザ薬で認められている、アナフィラキシーショック、劇症肝炎、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性腎障害などにも注意するよう薬の添付文書に述べられている。

日本では新型インフルエンザ向けに承認済みではあるものの、対象疾患が異なり、投与量も約3倍必要になる事から、covid-19向け治療薬として無条件で承認可能なわけではない。
富士フィルム富山化学では有効性と安全性を確認するために約100例の企業治験を実施中で、2020年6月末にも終了する見通しとなっている。
海外でアビガンは販売されていないため、レムデシベルのように特例承認も使えない。
だが、安倍晋三首相は2020年5月4日の会見で、「月内の承認を目指す」と明言した。
大学などがcovid-19に対する臨床研究などを行っているため、それらのデータも利用して承認するスキームに目処を付けたものと考えられている。

2020年3月17日には、中国の科学技術省が記者会見で、アビガンがcovid-19の治療に有効だと発表していた。
有効成分であるファビピララビルの臨床試験で良好な結果を得たとして、「今後、中国内の医療機関に対し、covid-19患者の診療ガイドラインへの掲載を推奨する」などと語っている。

ワクチン開発

開発元量産企業実用化時期
米モデルナスイス・ロンザ2020年秋予定
中カンシノ・バイオロジクスなど不明2020年内
中北京生物製品研究所+シノファーマ不明2021年上半期
英オックスフォード大学英アストラゼネカ2020年9月
独ビオンテック+米ファイザー米ファイザー2020年内
米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)米J&J2021年上半期
仏サノフィ+英グラクソ・スミスクライン仏サノフィ2021年下半期
日アンジェス+日タカラバイオ日タカラバイオ2021年3月

covid-19の拡大を終息させる最も有効な手段がワクチンの開発とされており、世界中で開発が進んでいる。
ワクチンが開発出来なければ、毎年世界中で多数の死者を出す事になる最悪のシナリオも想定される。

動物はワクチンを接種されると、病原体から身体を守る免疫を獲得する。
集団の多数がワクチンを接種すれば、感染を広がりにくくする集団免疫を得る事が可能となる。
ワクチン開発には通常5年以上の年月がかかってきた。
だが、新型コロナウィルスに対処するにはそれほどの時間を掛けていられないのが現実で、製薬企業は最新の技術を使ってワクチンの開発時間を短縮させようとしており、医薬品を審査する各国の当局も迅速な開発を後押しする迅速な規制緩和を検討している。

既存のワクチン市場独占4社米米英仏 シェア8割

コロナ危機前の世界のワクチン市場は、米ファイザー・米メルク・英グラクソ・スミスクライン・仏サノフィの4社で8割以上を占める独占状態。
4社は主に従来型ワクチンを開発・生産し、寡占の背景には各社の豊富な供給能力にあるとされる。
ワクチンの成分は特許で公開されるが、量産化には膨大な投資とノウハウが必要となる。
ワクチン事業の競争力は開発技術だけでなく、量産技術と供給能力がカギとなる。

謎多き中国勢

中国では政府と関係の深いバイオ企業や研究所でワクチン治験が実施されているが、量産化に向けての技術・ノウハウについては一切公開情報がなく、どれだけ供給されるのかといった情報が分からないというのが現状。

mRNA-1273 米モデルナ(開発)+スイス・ロンザ(量産)

モデルナは元々インフルエンザやジカ熱などのワクチンを開発する専門家集団で、遺伝子工学を応用した技術を持っているアメリカのバイオ医薬ベンチャー企業。
モデルナのワクチンはウィルスの遺伝子を利用した新しいタイプ。
mRNA(メッセンジャーRNA)という遺伝物質を投与すると、ウィルスの目印となるタンパク質が作られ体内で抗体ができ、免疫を獲得する仕組み。
従来のワクチンと違ってウィルスを使う事なく、ゲノム情報が分かれば化学合成出来る。

2020年5月18日、モデルナは開発中の新型コロナウィルスワクチン「mRNA-1273」の初期の治験の結果が有望だったと発表した。
今回の治験では、異なるワクチン量を2回に分けて18~55歳の男女45人に投与し、その結果、新型コロナに感染して回復した患者に見られるのと同程度かそれ以上のレベルの抗体が全員に確認出来た。
一部の参加者には、ウィルスの感染を予防する働きをする「中和抗体」も確認された。
特に重篤な副作用もみられないという。
ちなみに治験の結果を受けて、株価も高騰した。

モデルナのステファン・バンセルCEOは「今後も、安全性を確保しながら出来る範囲で最速のペースで開発に取り組んでいく」とコメント。
600人規模が参加する次の治験をまもなく始め、7月には数千人規模が参加する最終段階の治験に移行する見通し。

2020年5月1日にはスイスの製薬会社ロンザとワクチンの生産で10年契約の協業を発表しており、開発と並行して量産に向けた準備も整えている。
米生物医学先端研究開発局(BARDA)の資金援助を得て、まずロンザが持つ米国とスイスの製造拠点でワクチンの生産体制を整える。
7月には最初の出荷を見込んでおり、2021年以降は年間10億本規模の生産能力確保を目指す。

過去の疫病トップ10

順位病名死者数
1位天然痘7000万人
2位スペイン風邪4000万人
3位ペスト2500万人
4位アジア風邪100万人
5位香港風邪5.6万人
6位新型インフルエンザ1万4286人
7位エボラ出血熱(ザイール2015)1万1313人
8位MERS858人
9位SARS744人
10位高病原性鳥インフルエンザ249人

天然痘

古くは紀元前のエジプト王朝時代の頃にはすでに発生していたと言われており、何度もパンデミックを起こしてきた。

特にインカ帝国の多くのインカ人を死に至らしめ帝国を滅ぼした事で有名。
15世紀、スペインの「征服者コンキスタドール」フランシスコ・ピサロがインカ帝国を発見し、攻め込んだ際に天然痘も持ち込み、それがスペインに勝利を齎し、植民地としての歴史が始まったとされている。

牛痘ウィルスの免疫も天然痘ウィルスの免疫も持たないアステカ人やインカ人は、天然痘ウィルスに感染すると80~90%という恐ろしい致死率であった。

日本では平安時代より疱瘡と呼ばれ恐れられ、室町時代には痘瘡とも言われるようになり、その後は天然痘と呼ばれるようになった。

天然痘ウィルスは極めて強力な感染力を持っており、飛沫感染や接触感染によって感染する。

潜伏期間は7~16日と同等レベルに長い。
発症後は、40度くらいの高熱を発し、3,4日後には一旦解熱するが、頭部や顔面を中心に皮膚色と同じかやや白色の豆粒状の丘疹が生じて、やがて全身に膿疱が生じる。

その後、7-9日目に再度40度以上の高熱となる。

発疹が化膿して膿疱となると同時に天然痘による病変が肺などの呼吸器や十二指腸、肝臓などの消化器にも同じように現れる。

これはサイトカインストームが起こっており、肺などを傷つけ、それによる肺の損傷に伴って呼吸困難等を併発し、重篤な呼吸不全によって20~50%が死に至る。

サイトカインストームを乗り越えると、2-3週間後には膿疱は瘢痕を残して治癒に向かう。

治癒後は免疫抗体が出来て、再感染のリスクはほぼゼロとなる。

天然痘には有効な治療法が無く、感染しても重症化しないようにする種痘という天然痘のワクチ接種が唯一の解決策で、これが極めて有効に機能した。

種痘は18世紀にエドワード・ジェンナーという医師が開発したワクチン予防法。

乳搾りをしている人たちの話で、「牛痘という牛の病気に感染した人は天然痘に罹患しない」という情報をヒントに研究に取り組み、危険度の低い牛痘の膿をわざと注射して天然痘の抗体を作るという種痘という予防方法を発明した。

感染後でも3日以内に種痘を施せば発症あるいは重症化の予防に有効的であった。

種痘の有効期限は5年から10年程度であるため、何度も種痘を受ける必要があったが、地道に種痘を繰り返す事によって、天然痘を撲滅して人類は完全勝利する事が出来た。

そして、これがきっかけとなって、現代における化学療法を中心とした対症治療が確立されるに至った。

感染経路

新型コロナウィルスに限らず、風邪やインフルエンザと共通で、ウィルスが体内に入る事で感染する。
体内への入り口は、おもに口や鼻、目などの粘膜
体内に入る主なルートは、飛沫接触の2つ
感染者の咳やくしゃみによって飛散したウィルスが直接口や目に入るか、感染者の手や指にからドアノブなどに付着し、それに触れた他人の手指が口や鼻に触れて感染します。
手指に付着しただけでは感染しないので、手で顔を触らない事が非常に大事です。
ウィルス自体は単体では長時間生きる事は出来ないため、生物の体内に入り、細胞に侵入する必要がある。
細胞に侵入したウィルスは、まず自身のDNAやRNAといった遺伝情報を放出し、細胞の遺伝子情報を変えてウィルスを複製する。
やがて細胞が死滅し、ウィルスは複製したウィルスとともに放出され、別の細胞に感染していき、複製と感染を繰り返す事によって増殖していく。
一方人間側は、体内のウィルスが増えてくると、脳がウィルスを死滅させようと体温を上昇させるため、これが発熱の原因となる。

新しい生活様式

専門家会議により発表された感染防止のための提言。
政治的な問題や実行困難な提言もあり批判されがちだが、感染防止のためのマニュアルとしては参考になる内容といえる。

感染防止3つの原則

①身体的距離の確保

・人との間隔はできるだけ2m(最低)1m空ける。
・遊びに行くなら屋内より屋外
・会話をする際は可能な限り真正面を避ける

②マスクの着用

マスクには飛沫感染を防ぐ効果があるため、外出時や会話をするときなど、症状がなくても積極的にマスクを着用したい
ウィルスの粒子が約0.1マイクロメートルと極小のため、空気中を漂うウィルスはマスクを通過してしまいます。
しかし、そもそも空気感染の可能性は低いとされています。
飛沫とは、咳やくしゃみでウィルスに水分やホコリが付着したもので、粒子の直径は5マイクロメートル以上で、ウィルス単体よりはるかに大きいため、マスクには飛沫感染を防ぐ効果はあるといえます。
マスク選びのコツは、細菌濾過効率が高い使い捨ての不織布マスクを選びたい。
飛沫感染を防ぐには、BFE(細菌濾過効率),VFE(ウィルス濾過効率),PFE(微粒子濾過効率)のいずれかが95%以上のマスクを選ぶ事が理想的。
怪しい中華マスクや酷い品質のぼったくりアベノマスクの使用には注意したい。
マスクは喉の保湿にも効果的です。
喉の粘膜が乾燥すると、気道にはいった異物がを外へ掻き出してくれる線毛の働きも低下してしまうため、マスクの着用で喉を保湿する事もウィルスの防御につながります。
就寝時にも喉は乾燥しやすく、免疫力も落ちるため、可能ならばマスクを着けた状態で眠りにつきたいところである。
マスクはちゃんと着用しないと、効果が落ちる。
まず裏表を間違えないように確認し、マスク上部に入っている針金を鼻の形に合わせ、鼻の形に沿って密着させ、顎まで確実に覆い、出来るだけ隙間なく顔に密着させる事が大事。
マスク着用中は表面を触らないようにし、外す際はゴム紐だけを持って耳から外し、そのまま廃棄して再利用しない・・・のが理想ですが、マスク不足で止むを得ない状況であるため、せめて表面を触らないようにそっと折りたたみましょう。
飲食をする際も、顎マスクはやめて、せめて折り畳んで一旦鞄にしまいましょう。
顎マスクで歩きタバコしてるクソジジイなんかは万死に値する。

感染の初期段階で多くの人がマスクを着用していた日本やアジア諸国では、比較的死者数が少なく推移している。
反対に、欧米では元々マスクを着ける習慣が全くなく、かなり感染が拡大しはじめてから、マスクを着用しはじめている。

日本国内で気温が上昇する中、ネット通販などでは、「冷感」「ひんやり」などを謳った夏向けマスクやフェースカバーがずらりと並び、売れ始めている。
合成繊維織物大手の丸井織物の場合、今年初めてマスクの生産を開始し、更に自社技術を生かした「夏マスク(防菌フィルター30日分つき1980円)を2月後半から発売し、5月上旬時点で当初予想の5倍までになっている。
このマスクは特殊な加工と織りのポリエステル製で、接触冷感などの機能を謳っている。

「冷やしシャンプー」などで知られる山形県では、「冷やしマスク」が登場し、大人気となっている。
普通の飲料自動販売機に缶ジュースなどと一緒に上質な布製立体マスクが並んでいる。690円を入れると、マスク一枚が入った冷たい瓶が出てくる。冷えたマスクをしばしば楽しみ、瓶は回収ボックスに返す仕組み。自販機は山形市と山辺町の2台。
3月に販売をはじめ、「冷やしマスクはじめました」ののぼり旗を立てたりして話題になり、1日数百個も売れる日もある。
コロナ禍で仕事が激減した、山辺町のニット製造会社ニットワイズ後藤克幸常務が地元の同業者とマスクを作りはじめ、売り方を考案した。

③手洗いと消毒

手洗いと消毒について
まずは水と石鹸で手洗い
手の甲や指先、指の間、爪の先まで丁寧にこすり、最後は手首も洗う。
こうしてしっかり30秒間洗えば、100万個のウィルスが100個程まで減らせると言われている。
手洗い後に温風ジェット乾燥機を使用するのは厳禁
一見手を触れずに乾燥出来るので清潔のように見えるが、風によって飛沫が飛び散り、顔の粘膜部分に触れる可能性がある。
手指をアルコール消毒する事は大変有効
手をアルコール消毒する際は、指の先や間など手の全表面にくまなく刷り込み、乾くまで15秒以上こする。
ウィルスには、アルコール消毒(濃度70%以上)が有効なエンベロープウィルスと、有効でないノンエンベロープウイルスの2種類がある。
エンベロープとはウィルスを包んでいる膜で、ノロウィルスはこの膜を持っていないノンエンベロープウイルスだが、コロナウィルスやインフルエンザウィルスはエンベロープウィルスである。
膜は脂質を主成分としているため、脂溶性のある溶媒で破壊され、ウィルスは不活化する。
モノの消毒には次亜塩素酸ナトリウム(塩酸)が有効、但し取り扱いにはかなり注意が必要
0.02%程度に薄めてペーパータオルなどに含ませて使用する。
使用の際には必ず手袋をし、手指の消毒には用いず、使用した後は必ず手も洗う必要がある。
液体を吸い込む事によっても人体に悪影響を及ぼす可能性があるため換気は必須で、空間に霧吹きやスプレーで散布するのも厳禁。

移動に関する感染対策

・感染が流行している地域からの移動、感染が流行している地域への移動は控える
・帰省や旅行は控えめにし、出張は止むを得ない場合に限る
・発症したときのために誰とどこで会ったかをメモにする
・地域の感染状況に注意する

日常生活

・まめに手洗い手指消毒
・せきエチケットの徹底
・こまめに換気
・身体的距離の確保
・3密の回避(密集、密接、密閉)
・毎朝の体温測定 健康チェック 発熱まとは風邪の症状がある場合は無理せず自宅で療養

買い物

・通販の積極的活用
・1人または少人数で空いた時間帯に
・電子決済の活用
・計画を立てて素早くすます
・サンプルなど展示品への接触は控えめに
・レジに並ぶときは前後にスペース

公共交通機関の利用

・会話は控えめに
・混んでいる時間帯は避けて
・徒歩や自転車利用も併用

食事

・テイクアウトやデリバリーを活用
・屋外空間での食事も
・大皿は避けて料理は個々に
・対面ではなく横並びで座る
・料理に集中 おしゃべりは控えめに
・お酌 グラスやお猪口の回し飲みは避けて

娯楽・スポーツ等

・公園はすいた時間や場所を選ぶ
・筋トレやヨガは自宅で動画を活用
・ジョギングは少人数で
・すれ違うときは距離をとるマナー
・予約制を利用してゆったりと
・狭い部屋での長居は無用
・歌や応援は十分な距離かオンライン

冠婚葬祭などの親族行事

・多人数での会食は避けて
・発熱や風邪の症状がある場合は参加しない

働き方

・テレワークやローテーション勤務
・時差通勤
・会議や名刺交換はオンラインで
・対面での打ち合わせは換気とマスク

BCGワクチン有効説

BCGワクチンを接種している国では、新型コロナウィルスの感染者数や死者数が少ないという傾向が見られるが、現時点ではまだ科学的な証拠は見つけられていない。

コロナウィルス解析へ FAHによる分散コンピューティングの活用が進む

個人や企業がパソコンの能力を持ち寄って膨大な計算をこなす「分散コンピューティング」が新型コロナ危機に際して、脚光を浴びている。
分散コンピューティングの膨大な計算能力を生かして挑むのは、「folding(折り畳み)」と呼ばれるタンパク質構造の解析で、ウィルスが人の細胞に侵入する際の鍵となる「スパイクタンパク質」の構造をシミュレーションで明らかにするプロジェクトが進んでいる。

医療研究向けの分散コンピューティングプロジェクト「Folding@home(フォールディング・アット・ホーム FAH)」は、2020年2月末に新型コロナウィルスを研究対象に加えると表明して幅広く参加者を募った。
プロジェクトを指揮する米セントルイス・ワシントン大学のグレッグ・ボーマン博士が「君の力が必要だ」と呼びかけると、ゲーム用途などで高性能パソコンを持つ個人ユーザーが呼応し、100万台以上の端末が参加した。
FAHは2020年4月14日に「計算能力が毎秒240京回に達した!」とツイート。ツイート時点で最速を誇るIBMのスパコン「サミット」の12倍に相当し、世界の上位500基の合計をも上回る能力である。3月下旬から3週間で2倍以上になり、現在進行系で能力増強は進んでいる。

FAHによると、同規模の能力を持つサーバーを自前で構築するには数十億ドル規模の資金が必要だという。
費用をかけずに研究成果を出す手段として、2000年にスタンフォード大学の研究者がプロジェクトを開始し、癌やパーキンソン病など医療分野の研究用途でタンパク質構造の解析を進めてきた。
得られたデータは研究者などに無償で公開されている。

半導体大手のインテルやエヌビディアなどがこぞってユーザーに参加を呼び掛けている。
最先端の端末で参加した成果をSNS上で報告するユーザーも多く、シェア争いの激しいCPUやGPUの性能をアピールする場となっている。

暗号資産業界でも、仮想通貨のマイニングに取り組む企業や個人は高性能なパソコンを多く抱えており、FAHに貢献しやすい。
一部ではFAHへの貢献度合いに応じて仮想通貨を配布する取り組みが行われるなど、下火になりつつあった業界のユーザー層拡大にも一役買っている。

日本企業も参加が相次いでおり富士通クラウドテクノロジーズやKDDI、サイボウズ、さくらインターネットなどのIT勢に加え、2020年4月には亀田製菓も自社サーバー能力の一部を提供すると表明した。社会的責任CSRを訴える場にもなっている。
但し、あくまでもプロジェクトは米国の最先端の大学や研究機関、IT企業などが主導しており、日本勢はボランティとしての参加にとどまっているのが実情である。

ただ、注目度が集まるほどマルウェアの配布やハッキングなどに悪用される危険もあるので、セキュリティ面については注意しておく必要がある。
個人で参加する場合には、1日数十~数百円の電気代もかかる。
一般的なスパコンと比べると、計算量当たりで多くの電力を消費するとの指摘もある。

国産スパコン「富岳」を新型コロナウィルス研究に活用

理化学研究所は2020年4月7日に、神戸市にあるスーパーコンピューター「富岳」を新型コロナウィルスの研究に関して優先的に利用可能にしたと発表した。
富岳は開発・整備の途中であったが、新型コロナウィルス対策に貢献して成果をいち早く創出するために、可能な限りの計算資源を関連研究開発に供出するとし、文部化科学省が決定する研究開発の実施課題に対して技術的なサポートを行う。
課題としては、「新型コロナウィルスの性質を明らかにする」「その治療薬となり得る物質を探索する」「診断法や治療法を向上させる」「感染拡大及びその社会経済的影響を明らかにする」などが挙げられる。
富岳は2019年12月から搬入を開始し、2021年度の供用開始を目指して開発・整備が進められており、2020年度から一部のノードで試行的利用が開始される予定だった。

日本 医療品の海外依存度が高すぎる問題

コロナ禍において、医療関連品の海外依存度の高さによる日本の医療体制の脆弱さが浮き彫りとなった。
医療品の供給不足の恐れが出ており、日本政府は今後の感染症拡大にも備えるために400社超の企業と協力して医療品の国産化を進めようとしている。

品目輸入依存度主な依存先
後発薬の原薬50%韓国、中国、イタリア
人工呼吸器90%超欧州、米国
N95マスク30%中国
サージカルマスク70〜80%中国
布マスク大部分中国 、東南アジア
不織布約40%中国
植毛綿棒ほぼ100%イタリア、米国
医療用ガーゼ約60%中国
全身防護服ほぼ100%中国、ベトナム、米国
医療用ガウン大部分中国、インドネシア

特に供給に懸念が出ているのが、後発薬の有効成分となる原薬で、国内の後発薬メーカーは使用する原薬の約半分を中国や韓国からの輸入に頼っている。
covid-19の感染拡大が確認されて以降、2020年5月上旬で各国の税関手続きの遅れなどが解消されておらず、通常は4〜5日で届くものでも3週間掛かっているような状態となっている。
原薬輸入が滞った事で後発薬大手の東和薬品が、高血圧を抑える薬や抗菌薬の出荷の調整を迫られる事態にまで陥っている。

国内で使用する人工呼吸器も9割超を輸入に頼っており、欧米勢が大半を供給している。
日本国内の病院でも需要が高まっているが、欧米での感染拡大が深刻になるなかでは、日本向けの供給が増やせるか不透明な部分が大きい。

医療従事者が感染を防ぐために身につけるマスクや防護服、手袋などの個人用防護具PPEについても中国依存から脱却するのは容易ではない。
医師や看護師が使う医療用サージカルマスクでは70〜80%を輸入に頼り、大半を中国が占める。
高機能マスクであるN95は国内メーカーの増産余地が限られ、需要に追いついていない。
マスクを巡っては世界中で高水準の需要が続いており、各国の買い取り強化で争奪戦の様相も呈している。
シャープなどが生産に乗り出しているが、日本国内での不足感は解消されない。

経済産業省と厚生労働省は生産協力を申し出た400社超の企業や既存の医療機器メーカー情報を集約し、日本医師会や病院団体などに提供する。
不足する医療品の種類や量は各現場によって異なる。
各企業が供給できる医療品の情報と医療機関が求めている医療品のニーズを互いに明らかにすることで、供給までに掛かる時間の短縮に繋げたい考え。
経産省は全国に窓口を設け、さらに協力企業を増やしたいとしている。
政府としては、とにかく必要な医療品を確保するために国産化を促し、中国などへの輸入依存度を減らしたいと考えている。

コロナ禍と情報化社会における情報の取捨選択について

新型コロナウィルスというのは、基本的に未知のウィルスであり、完全に理解出来ている人間は専門家も含めて世界中に誰一人としていません。
当初推測されていた性質も、研究の過程で変わっていき、対策の内容も日々変化していきます。
また、世界同時多発的に感染が拡大しているため、日々世界中から大量の情報が流れてきます。
そのため、どれが真実でどれがフェイクかという判別は基本的には誰にも出来ません。

まず前提にするのは、「公知の事実」

公知の事実とは、ある意味万人が認めている事実や、ある専門領域門家の間でほぼ統一見解として、まとまっている事実です。
まずは、物事を考える際には、公知の事実を前提として考える必要があります。

前提となる公知の事実もアップデートしていく必要がある。

ただ、「公知の事実」とはいえ、「真実とは限らない」という事は認識しておく必要がある。
特に新型コロナウィルスのような未知のウィルスの場合、感染症の専門家やWHOが当初示していた見解も、既に「真実」では無くなっています。
その時点で公知の事実であった事も、時が経って研究や議論が進んでいけば、間違いは正され、より正しいと推測する見解が醸成されていきます。
その際には、過去の考えや思い込みに囚われてしまわないよう、自分自身の考え方もアップデートしていく必要があります。

情報を丸暗記せず、常に自分の頭で考えて持論を構築していく

インターネット上にこれだけ情報が溢れかえっている現代で、公知の事実と明らかなフェイクニュース以外には、「これは正しい」「これは間違っている」というように情報を逐一選別する事は出来ません。
そのため、溢れ返る情報から正しい情報を完璧に選び抜く事に神経質になるよりも、間違った情報に踊らされるリスクを認識しながら、情報の中に積極的に飛び込んでいくべきである。

ただし、間違った情報に踊らされた挙げ句、他人を傷つけたり、賠償請求を受けたりするようなリスクは避けなければなりません。
そのためにも、むやみに情報を鵜呑みにして情報拡散をしないという事が大事です。
特にツイッターにおいては、なるべくであれば、「コメントなしのリツイート(単純リツイート)」をしないように心掛けるといいでしょう。
法律上でも、単純リツイートでの情報拡散は名誉毀損などに問われる可能性があります。
一方、「引用リツイート」で自分の意見を述べる行為は、表現の自由として最大限保障されるものです。
何の考えもなしに「単純リツイート」するのではなく、一旦立ち止まって自分の頭で考えて意見を添えて「引用リツイート」をする事によって、持論を固めていく事が出来ます。
新聞やネット記事・雑誌の読み方にしても、隅から隅まで「とにかく全部読むこと」を目的とせずに、まずは自分の興味ある分野に絞り込んで読み込み、「そうなんだ」で終わらせずに、「そうなんだ。では自分はどう考えるか」と常に自分の意見を添える事を習慣としましょう。
「この部分が分からないと、自分の意見が言えない」という箇所が出てくれば、そこを調べてまた自分の意見を考える。
これを繰り返していけば、自然と知識・情報量も増えていく上に、知識・情報を基に持論を構築して、質の高いアウトプットを生み出す能力も向上していきます。

間違った情報を発信してしまったら「即削除・訂正」「即謝罪」

まず大前提として、何の考えずに単純リツイートで情報拡散するのはやめた方がいいでしょう。
例え大手マスコミの記事でも100%完璧であるとは限りませんし、特に他社の社会的評価を下げるような情報のむやみな拡散は絶対に控えましょう。

ただ、自分の頭で考えてちゃんと意見を述べたとしても、絶対に自分の表現に間違いは無いというような事はありえません。
もし自分の表現に間違った部分があるということが分かれば、直ちに削除・訂正すべきです。
さらにその誤った表現があっという間に拡散・コピーされてどこで保存されているか分からないのがネット社会ですから、削除・訂正と同時にきっちりとした「謝罪」も必要となります。

コロナ危機における経済財政政策 ヘリコプターマネーの実現

ヘリコプターから紙幣をばら撒けば、いずれ物価は上がる、経済学者ミルトン・フリードマンが1969年の論文に記した逸話が起源として知られる。その後、2002年、後にFRB議長となるベン・バーナンキ氏が取り上げ、デフレ克服の手段として支持して以来、是非を巡る論争が続いてきた。

日米欧で政策金利がゼロ近辺に下がり、金融政策が岩盤に突き当たっていた最中にコロナ危機が発生し、それに伴う巨額の財政支出に伴って発行された国債を消化するために、中央銀行が果敢な国債の買い取りに動いている。

需要の消滅や原油価格の急落でデフレ懸念が強まり、ヘリマネ反対派が論拠としていた悪性インフレの不安も薄らいでいる。
金融政策も力を失っており、利下げが投資や消費を十分に刺激出来ていない。

FRBや日銀は国債購入の上限を取り払い、イングランド銀行やECBも巨額の国債やユーロ債の購入を決めている。
中銀の量的緩和を通じた多額の債権買い取りは新規発行された国債の吸収に役立つものの、債務がより一層拡大する中で、いずれ債務は持続可能でなくなる。
そのため、中銀による直接かつ返済不要の資金によって支出を賄うヘリマネを活用する局面に至るだろう。

ヘリマネではすでに一部の新興国が先行している。
インドでは1980年〜1990年代に慣習だった中銀による国債の直接買い取りが復活すると見られており、インド中銀の元トップも「部分的なマネタイゼーションは避けられないだろう」と述べている。

インドネシアでは既に中銀が政府から直接イスラム債を買い入れた。

ニュージーランド準備銀行のオア総裁はマネタイゼーションの可能性について、「リスクもあるが、機会も提供する」と述べ、「選択肢として排除すべきでない」として前向きな姿勢を示している。

マネタイゼーションとヘリコプターマネーの定義

マネタイゼーションとヘリコプターマネーはしばしば同義語として扱われるが、厳密には異なる。
更に量的緩和との関係を巡っても混乱が生じがちになる。

マネタイゼーションとは、「debt monetization」の訳で、「債務をお金に変える」ことを指す。
つまり中銀が通貨を発行して政府から国債を直接かつ大量に買い取り、国の財政赤字を穴埋めする行為である。中銀が財政政策の資金を供給するため、「財政ファイナンス」とも呼ばれる。
通常、中銀は市中に資金を供給するオペレーションに際して銀行が持つ国債や手形を買い入れる。
そうではなく中銀が国から直に国債を購入し、これらを売らずに持ち続けるのがマネタイゼーションの特徴である。
ただし、中銀はあくまで引き受けた国債の対価として通貨を供給するので、供給された通貨には国債という資産の裏付けがある。この点が、ヘリコプターマネーと明確に異なる。

ヘリコプターマネー政策では国債などの対価なしに通貨が発行される。
あるいは対価として受け取った国債を中銀が償却する。
つまり政府の債務を増やさずに通貨を発行し、財政政策に使う事が可能となる。
ヘリコプターマネーが打ち出の小槌とも言われる所以で、財政ファイナンスの究極の姿がヘリコプターマネーだという言い方も可能である。
もっとも中銀側からみれば、バランスシート上の負債の拡大(通貨量の増大)に見合う資産の増加(保有する国債など)がなく、実質的に資本が減るか、悪ければ債務超過となり、通貨の信認が損なわれかねない。そういった意味では、劇薬ともいえる。

バーナンキ氏もヘリコプターマネーは政策の最終手段であると述べている。
中銀の独立や財政規律をどう保つかという課題がある一方、金融手段が効かなくなり、債務残高が大きい状況でも機能を発揮する伝家の宝刀のようなものである。

量的緩和との関係

量的緩和の規模が膨らむにつれ、量的緩和そのものが財政ファイナンスあるいはヘリコプターマネーとも呼ばれるようになっている。
中銀が政府から直接国債を引き受けておらず、しかも恒久的な買い取りを約束していないという点では、定義上、財政ファイナンスやヘリコプターマネーとはいえない。

ただ、線引きは少し曖昧で、中銀による国債の購入は、多かれ少なかれ財政ファイナンスの側面を持つ。
ポイントはその財政資金の供給が恒久的な措置か否かだ。
膨張した中銀のバランスシートが縮小せず、量的緩和で購入した国債を保有し続けたり、償還時に戻った資金を新規の国債の購入に回したりした場合は、財政資金を恒久的に提供するのとほぼ変わらない。
形式上はともかく、実体としてはマネタイゼーションと見做される。

過去20年以上にわたり巨額の財政赤字を計上し、平行して日銀が巨額の国債買い取りを続けてきた日本では国債が売却される可能性は低く、その意味ではとっくにマネタイゼーションは起きている。
米欧なども含めた量的緩和は将来、少なくとも一部が財政ファイナンスと見做されるだろう。

ヘリコプターマネーの強み

ヘリマネは経済を刺激する効果が大きく、中銀マネーによる財政の刺激策は、通常の財政刺激策に比べて乗数効果が圧倒的に大きいとされる。
カギになるのが「リカードの等価定理」で、財政で経済を刺激しても、それによって公的債務が増えれば、将来の増税を見越した家計が消費を抑えてしまう、という考え方だ。
つまり経済効果は、トントンになってしまう。

一方、ヘリコプターマネーによる刺激策の場合、国の借金は増えないので、消費が抑えられる事もなく、経済の押し上げ効果が大きくなる。
だから、今の量的緩和ではなく、ヘリマネ政策が必要であるとされる。

ただ、ヘリマネはインフレを招くリスクが指摘され、財政ファイナンスは多くの国が法律で禁じている。
インフレについては、新型コロナによる緊急措置が続いている間だけに限定すれば、インフレは防げるとする主張もある。
ハイパーインフレが起きるのは規模の問題だとし、アメリカが1000億ドルのヘリマネを行っても経済活動や物価への影響はわずかで、1000兆ドルならハイパーインフレが起きるとする主張もある。

新型コロナ危機限定ヘリマネ政策案

議会が新型コロナに関する特別法を採択し、中銀が90日間など限定された期間だけヘリマネ政策を取れると定める。
さらに中銀トップと財政当局のトップ、外部の経済学者を交えた特別委員会を作り、中銀の独立と措置の期限を守るよう監視する。

こうした形でヘリマネ政策を実施すれば、世間にも受け入れてもらえるのではないだろうか。

ヘリマネの懸念

通常の財政支出と異なり将来の増税懸念を招かないとされるヘリマネの利点に疑問を呈する声もある。
もし、ヘリマネでインフレが起きて物価が上昇すれば、事実上の「インフレ税」で人々の蓄えが目減りする懸念があるという。

ヘリマネ政策には、最終的な責任者は誰なのかというガバナンス(統治)の問題もある。
政府が主導権を握るなら、中銀の独立が脅かされる。
中銀が主導権を握るなら、中銀の判断で政府が歳出を決めるおかしな状況が生じる。
これが「ヘリコプターマネーのジレンマ」だという。

景気後退保険債権 リセッション・インシュアランス・ボンド

議会が発行を決め、各家計向けに作られたデジタル口座に割り振る。
政策金利がゼロに達した後、FRBがさらなる金融緩和が必要と判断した場合、同債権を家計から買い取って代わりに資金を供給する仕組み。
家計に直接お金が渡り、所得の押し上げや消費刺激の効果が大きい。
景気動向に敏感なFRBが活用のタイミングを決めるので、通常の財政出動に比べて、機動的に景気を刺激する事が出来る。
一方、議会が予め了承した財政措置なので、中銀による財政の侵食などに当たらない。
一定の規律を設けて、中銀マネーの恩恵を直に家計に届けるための工夫がされている。

2020年4月 東京都内の倒産件数が前年比1割減の異変

緊急事態宣言を受けた休業などの影響で経営に行き詰まる企業が増えているにも関わらず、都内の倒産件数は4月、前年実績比で1割減となる異常事態が発生した。
平時でも都内の倒産件数は月平均で100件を超える数字を記録しており、実際には普段からコロナ外の倒産が多い。
2020年4月の倒産件数も100件超ながら、前年同月比で1割ほど減っているというのはそれほどの異常自体であるということになる。
2020年3月は前年同月比15%増えていたので、4月に急ブレーキがかかった。

都内の弁護士のもとには複数の中小経営者から破産についての相談が寄せられてるが、どの案件を優先すべきか精査しなければならない事態に陥っている。
平時なら裁判所に破産手続きを代理で申し立てれば、裁判所から即日から1週間ほどで手続きの開始決定をする。
裁判所が選んだ弁護士が破産管財人となり、会社の資産を管理。
残った資産の処分方法を決め、債権者集会を経て、債権の優先順位に従って債権者に返済する。

粛々と進むはずの破産手続きだが、滞るきっかけとなったのは東京地裁が東京弁護士会など都内の3つの弁護士会に4月におくった通知。
「不急の申し立ては控えるように」
東京地裁は政府が4月7日に東京都など7都府県に緊急事態宣言を発令してから、民事裁判の期日を取り消すなど、業務を縮小している。
破産手続きもその一環で、緊急性の高い案件以外は処理を停止する決断をした。

だが、弁護士の間で「不急の破産などあり得ない」「表現が不適切だ」などと物議を醸す事態となった。
そのため、東京地裁はその後、「申し立て自体は受け付ける」と軌道修正し、「処理については個別案件ごとに判断する」とした。

破産手続きが遅れれば、多くのステークホルダーを巻き込むことになる。
資産は日増しに目減りし、事業売却による債務返済もままならなくなる。
「行政と司法は分けるべきで、裁判を受ける権利を守るため、司法の機能を止めてはいけない」とする意見もある。

司法の機能が止まっている要因のひとつに、IT化の遅れもある。
米国では、連邦破産法11条チャプターイレブンや清算型の破産手続きチャプターセブンの適用をオンラインで申請できる。
そのため、米国ではコロナ禍の渦中にあっても、破産手続きは粛々と進んでいる。
IT化は韓国やシンガポールなどアジア各国でも進んでおり、中国には倒産手続き専用のオンラインプラットフォームもある。

日本でも2月から民事訴訟の争点整理などでウェブ会議が導入されているが、破産手続きに関してはまだ進んでいない。
そもそも破産法第20条は、手続き開始の申し立てについて「書面」で行う事を定めており、これは紙の書面という解釈になっている。
これがIT化を阻む最大の障壁となっている。

今囁かれるのは、緊急事態宣言後の倒産ラッシュ。
コロナに絡む倒産も増加が見込まれ、2020年は通年で1万件超と、7年ぶりに1万の大台に達する可能性も見込まれる。

単なる先延ばしではなく、いかに倒産を防ぐかの仕組みも重要になってくる。
ドイツでは支払い不能などに陥ってから3週間以内として破産申請の義務付けを、9月末まで停止する。コロナが原因の場合に限った異例の措置となる。
政府が一丸となってコロナ対応の司法手続きを探るドイツ。
政府は資金繰りを支援し、本来なら事業継続できる企業へのセーフティネットも作っている。

日本は支援策お含め、政府の対応は場当たり的。
緊急事態でなければ危機に陥ることのない企業を政府が支えつつ、行き詰まった企業の破産処理は粛々と進める。
そんな環境を整備するには、政府の企業支援策を拡充すると同時に、破産手続きのIT化を急ぐ必要がある。

経営難の中小企業の戦い

緊急融資や給付金の申請手続きをしながらじっと耐える。

借金を返さない、家賃を払わない、居座り続ける。
まずは土下座して支払いの先送りを頼むが、たいていは断られる。
だけど、交渉が決裂してからも払わず居座ると腹を括る。
大家さんとしても無理に追い出しても次の入居が見つかるアテがないし、実際のところコロナで動けない。
とにかくなんとか粘って、「払えるようになったら払います」と言いながら、振り込まない。

銀行融資も金利だけは払って、とにかく元本は先送りする。
先の見えない今はとにかく現金の確保が最優先。

平時では、商売は信用第一なので約束を守るのが鉄則。
だが今は緊急事態で生きるか死ぬかの瀬戸際、血液である資金が無くなれば倒産するしか選択肢がなくなる。
強引にでも生き残って、体力が出来てから少しずつでも払った方が、結果的にみんながハッピーになる。
信用を守ってカッコ良く死んでも、誰も助からない。

そうすれば大家さんにもしわ寄せが行って銀行に返済出来なくなるが、それなら大家さんも銀行への返済をしなければいい。
全員が銀行に借りっぱなしになっても、銀行は国や日銀が支えるから大丈夫。

自分の身は自分で守る。金が足りなきゃ、自分で自分の支払いにロックダウンをかけるしかない。

ただし、払える企業は払うのが原則。
借金返さない、家賃払わないは、コロナ被害直撃した瀕死企業の禁じ手である事は肝に命じないといけない。

ホテル事業者大量破綻

インバウンドや東京五輪を狙って、新規参入や開業が相次いでいたところに、コロナ禍で需要が蒸発し、資金繰りに行き詰まっている。
ホテル業界には投資ファンドからも資金流入もあり、破綻が広がれば、オーナーによる物件売却によって、不動産市場に影響が出る可能性もある。

2020年5月8日時点で新型コロナかんれんの宿泊業の経営破綻は29件、業種別で最多。
4月24日にはカプセルホテル運営のファーストキャビン、27日にはWBFホテル&リゾーツが経営破綻した。
基本的には、コロナ以前から財務が悪化していた企業の破綻が目立つ。

WBFホテル&リゾーツは2009年設立、北海道と関西を中心に約30施設を運営。
事業拡大に積極的で、ホテル開発などに充てるために銀行借り入れを増やしていた。
事業構造にも問題があり、建物を不動産会社から借りて運営するホテルも多く、賃料負担が重い。
国内外の投資ファンドに支援を打診したが、「賃料の支払いが条件が厳しく、再建は難しい」などの理由で十分な支援を得られなかった。
負債は160億円まで膨らんでおり、裁判所の監督下で利払いや賃料など条件を見直し、改めてスポンサーを探すことになる。

2006年設立のファーストキャビンも近年、急激に施設数を増やしていた。
旅客機をイメージした高級感のある内装が特徴で、フランチャイズチェーンを含めて20施設を運営していたが、デザイン優先で立地や運営効率が悪かった事も災いして、19年3月期まで2期連続の赤字だった。

ビザ緩和などの政策により、インバウンドは2019年まで8年連続で増加し、6年で3倍となっていた。今年夏に予定されていた東京五輪もあり、宿泊需要が増えるとの算段があった。
長引く低金利で運用難となっていた投資マネーの存在もあり、より一層ホテルの建設ラッシュが加速した。
不動産会社やファンドがホテルを開発して、運営会社に貸し出すと、運営会社は手元資金が少なくても、出店の速度を上げる事が可能になった。
不動産会社やファンドなどの施設オーナーにとっては運営の手間を省いて安定した賃料収入が得られるというメリットもあり、バブルの様相を呈していった。
都市部で売りに出た土地を、ホテルの開発計画を持つ不動産会社が競り落とす事も目立ってきており、ホテルの急増がオフィス空室率の歴史的な低水準や、マンションの販売価格上昇を招いたという側面もあった。

WBFの経営破綻では、REITのスターアジア不動産投資法人や投資法人みらいが、WBFに施設を賃貸していたと開示した。
中堅不動産のタカラレーベンは2月に京都市内でWBFのホテルを開業したばかりだった。
東急リバブルはWBFへの賃貸を目的に関西国際空港近くで大型ホテルを開発中で、7月に完成予定だった。

不動産証券協会ARESによると、上場REITが保有するホテルは約1兆6千億円と、3年間で7割増加し、私募REITや不動産ファンドを含むと更に金額は膨らむ。

トイレットペーパー3K物流問題

マスクや消毒液とは違い、トイレットペーパーは製紙会社や大手スーパーなどが「生産量や在庫は十分にある」としていたのに、一時スーパーやドラッグストア店頭で品切れが続出する減少が起きた。
そこには、国内での家庭向け紙製品の物流における「3K問題」という弱点があった。

第1のK かさばる

物流会社にしてみると、トイレ紙は運んでも儲からない。
とにかく嵩張る割には、単価が安い。

製紙各社は工場で生産した1パック8〜12ロールのトイレ紙を、段ボールに6〜8パック詰めて出荷する。
スーパーやドラッグストアへの配送で使われることの多い4トン車の場合、一度に200〜230箱しか運べない。
積載率が低く、配送効率が悪い。

店舗の保管スペースも限られているため、ほぼ毎日少量ずつの配送が必要となる。
総務省の調査によると2018年のトイレットペーパーの価格は1ぱっく350〜470円程度。
単価が安い分、何度も運ばなければ利益が出ないという欠点がある。

第2のK きつい

配送を効率化するためには、一度でなるべく多くのトイレ紙を荷台に積む必要がある。
一般的に荷物の積み下ろしではフォークリフトを使うが、トイレ紙の場合、積載量を少しでも増やすため、手作業で進めなければならない。

10トン車の場合、フォークリフトを使えば積み下ろしは数十分で終わる。
これが手作業では2時間近くかかる。
物流業界ではフォークリフトを使った荷物の積み下ろしの前提となる「パレット」の導入が進んでいるが、トイレ紙に限っていえば現状ではまだ一部にとどまる。

特に人手不足で有効求人倍率が3倍を超えるトラックを含む自動車運転職であるドライバーの間では、紙製品の配送が敬遠されているという現実がある。
卸業者でも、ドライバーを確保出来ずに受注を断念する事例がある。

第3のK 空っぽ

コロナ危機の混乱で買占めが多発し、緊急の輸送が必要になった場合、躊躇う事業者が多い。
トイレ紙を目的地まで運んでも、帰りの荷物が確保出来なくて、「空っぽ」の状態で帰らなければならない可能性があるためだ。
各社の採算は厳しく、空っぽのトラックを走らせる事だけは避けたいというのが本音だ。

こんな状況を踏まえて、拡大している「物流版ウーバー」と呼ばれるマッチングサービスもある。
物流スタートアップのCBcloudは2020年2月、荷主と2トン以上のトラックを持つ運送会社をマッチングするサービすを1都6県で始めた。
専用ページを介して荷主が料金や依頼内容を提示し、エントリーした運送会社の中から、条件が一致する相手を選ぶ。
トイレ紙の配送依頼が急増し、2020年3月初旬の配送依頼は、前月の10倍にまで膨らんだ。

札幌市内の小売店に紙製品を配送する中堅運送のエースは一時、トイレ紙の配送依頼が通常の約3倍になった。
緊急配送の依頼はピーク時の3月初旬に比べれば落ち着いてきたが、それでも1日あたり20〜30台のトラックが追加で必要になる場合もあった。
福山通運もトラック約100台で各地への緊急輸送にあたった。

コロナ禍でトイレットペーパーの1日あたりの店頭輸送量は4000万ロールになった。
国民全体の3週間分にあたる3億5千万ロールの在庫があり、生産も継続されている。
5月現在、品薄は解消しつつあるが、コロナ禍でのトイレ紙在庫切れ騒動は、こくないの物流業界が抱える課題を浮き彫りにした。
生活に欠かせない物資を運べなくなる危機は日常のすぐそばに潜んでいる。

アビガンの歴史

富士フィルムグループの富山化学工業は2014年3月24日、アビガンの製造販売承認を取得した。
タミフルなどの従来のインフル薬と異なる仕組みでウィルス増殖を防ぐ
今回の適用は他の薬が効かない新型や再興型インフルの場合に限られる。
政府が感染対策への使用を判断した場合のみ使用可能

2014年8月25日 エボラ出血熱の治療に効く可能性がある未承認薬として、アビガンをwhoや医療従事者の要請があれば提供する用意があると表明した。

エボラ熱とインフルエンザではウィルスのタイプが似ている

アビガン 一般名ファビピラブル

医療機器を扱っていた富士フィルムが医薬品事業に本格参入したのは2008年初め
富山化学工業の子会社化がきっかけ。

買収時、富山化学はすでにアビガンの開発に着手していた。
従来と異なる作用でインフルエンザウィルスの増殖を防ぐのが特徴で、従来薬が効かない場合に使う切り札として開発を推進した。

2014年10月4日 アビガンを服用したエボラ熱患者のフランス人女性看護師が治癒し、退院したと発表された。

2014年10月9日 欧州4カ国のエボラ患者に投与

2014年10月20日 エボラ熱向けにアビガン追加生産

2016年2月22日 厚労省がマダニ感染症sftfに有効と発表

2020年2月22日 加藤厚労相は新型コロナウィルス感染症患者にアビガン、レムデシベル、カレトラの投与をはじめたと発表

ウィルスは侵入した細胞の中でウィルスの設計図であるRNAを複製させ、それを材料に自ら増える。
アビガンはRNAの複製を邪魔し、ウィルスの増殖を防ぐ仕組み

レムデシベルもRNAが出来るのを邪魔する

カレトラはウィルスが体内で感染を広げるのに必要なプロテアーゼという酵素の働きを阻む

新型コロナウィルスの名称について

2019年11月に初めて感染者が確認され、2020年1月に新型のコロナウィルスである事が正式に認められた。
新型コロナウィルスの名称は、仮名として「2019-nCoV(NovelCoronaVirus)」と呼ばれ、国際ウィルス分類委員会(ICTV)によって正式に「SARS-CoV-2」と命名された。
新型コロナウィルスによる急性呼吸器疾患の名称については、WHOによって「COVID-19」と命名された。(COronaVirusDisease2019)Disease→疾患
日本ではウィルスの名称と病名は厳密に分けて使用されてはおらず、大雑把に「新型コロナウィルス」と呼称するのが一般的である。
発生源は中国湖北省武漢であるため、「武漢ウィルス」と呼称すべきではないかという論争もあったが、WHOは地域の名称や地名と結びついた呼称に批判的な見解を示しており、2015年に策定されたWHOの「名称決定についてのガイドライン」に沿って、無難な名称として「COVID-19」と決定された。

アマビエブーム

日本全国でアマビエがブームとなっている。
江戸時代の熊本の海に出現したという伝承のある妖怪で、人魚のような外見でくちばしがあるのが特徴。
その絵を描いて流布すると疫病が止むという伝説から、新型コロナウィルス感染症が拡大し始めたころから、全国的な人気者となった。
4月に緊急事態宣言が出されると、厚生労働省はアマビエをSNSでの啓発キャラクターに起用して、外出自粛を呼びかけるようになった。
鹿児島では小学校の保護者有志が校庭にアマビエの地上絵を描いた、岩手県では南部鉄器の置物がつくられた、徳島県では純米酒のラベルになった、愛媛県では窯元が瓦置物を制作したというように、どの地方でもアマビエでコロナを退散させようと盛り上がっている。

新型コロナウィルス感染症は、いくら科学的に説明されても、科学の力では根絶出来ないというジレンマがあり、ある意味では新型コロナウィルスは人知を超えた天才のようでもある。
だからこそ、この世のならざる存在のアマビエに期待がかかるのかもしれない。

現代のバズりたいというSNS文化にピッタリと合致していたアマビエ伝承

伝承では、江戸時期の肥後の国の海に出現したアマビエが、「これから先に疫病が流行する」と予言をしたうえで、「疫病を終息させるためには、自分の姿を絵に描いて広めるように」と対策を伝えたと言われている。
この伝承は、インスタグラムやツイッターにイラストをアップして拡散させるという、現代の社会環境にぴったり合致していたので、多くのイラストレーターがそれに倣って、アマビエの画像をアップする現象がおきた。

社会のために何もしてはいけないという初めての経験

新型コロナウィルス感染症対策として、一般の人々が出来るのが家に籠もることしかないという事。
これまでに経験した一般的な苦難や災厄は、自分たちが動く事で乗り越えられたものばかりだった。
地震にしろ、大雨による土砂災害にしろ、家屋や農場、道路や橋など、社会インフラを立て直すために生き残った人たちは「動く事」でそれを乗り越えていった。

しかし新型コロナウィルス感染症に関しては、初めて「社会のために何もするな」と呼び掛けられた災害である。
「何もしないでくれ」と社会から期待されている、それは窓際族の会社員のような居心地の悪さを感じる心持ちにさせるものである。

だから、科学的に出来る事が何もないなら、「私もアマビエを描こう」とたくさんの人々が思うようになる。
それはあたかも、何百年も前の時代の名もなき人たちが、ノミを使って木の切れ端から仏像を掘り出したのと同じである。

漢方薬板藍根(バンランコン)

抗ウィルス・抗菌・解熱消炎の効果があり、風邪・インフルエンザの予防に効果があるとされる。
2003年に中国でSARSウィルスが大流行した際に、中国の衛生部が、板藍根に予防の効果があると公式に認め、積極的な服用を促した。
WHOからもその効果が高く評価されている。
日本では食品扱いで安全性が高く、エキス顆粒や飴として手軽に服用可能

中国の新型コロナウィルス対策 初動隠蔽

2019年11月17日時点で湖北省出身の55歳男性が最初の症例であった可能性がある?

2019/12/30 保健機関が作成した内部文書「原因不明の肺炎の治療の改善に関する緊急通知」がインターネット上で出回り、翌31日に湖北省武漢市疾病予防センターは、武漢市で原因不明の肺炎が発生している事、患者が華南海鮮卸売市場の出店者である事、12月8日には確認出来ていた事を認めた。
武漢市衛生健康委員会は合計27件の症例があり、そのうち7人が重症で、2人がまもなく退院すると報告した。

2019/12/30 眼科医の李文亮医師は、「コロナウィルスの感染が確認され、どのタイプかまだ調査中」など、SNSの医師グループで発信したが、31日未明に当局に呼び出され、デマを流したとして「自己批判文」への署名を強要された。

2020/1/1 江漢区市場監督局と衛生健康局は局地的流行の中心地とされる華南海鮮卸売市場を閉鎖


2020/1/3 武漢市公安当局が、李文亮医師をはじめとする医師ら8人に対して、社会秩序を混乱させたデマ伝播者として、訓戒処分を下した。


2020/1/5 武漢市衛生健康委員会の発表によると、原因不明の肺炎の患者は合計59人で、そのうち7人が重症であり、他の患者の容態は安定。すべての患者は武漢市内の医療機関で隔離治療を受けており、死亡者はいなかったとした。
発症例のうち、最も早いものの発症時期は2019年12月12日、最近のもので12月29日であったとした。
疫学調査によると、一部の患者は華南海鮮卸売市場の入居者で、ヒトからヒトへの感染の形跡は確認されず、医療スタッフの感染も発生していなかった、とした。


2020/1/7 原因不明の肺炎は新種(新型)のコロナウイルスにより引き起こされたことが正式に判明した


2020/1/8 武漢市衛生健康委員会は、8人の患者の退院を発表した。8人の患者は数カ所の病院で隔離されたが、のちに全員が武漢金銀潭病院に収容された。


2020/1/9 李文亮医師は高齢の患者に発熱や肺炎の症状が現れたため、新型肺炎を強く疑った。
翌10日には、李文亮医師自身も咳や発熱などの症状が現れ、12日は入院して、集中治療室で隔離治療を受け始めた。
しかし、1/30まで何度も核酸検査を受けたが、陽性ではなかった。

2020/1/21 湖北省の共産党委員会や政府は武漢市で春節(旧正月)を祝うイベントを開催した。
省トップの蒋超良書記やナンバー2の王暁東省長らも参加して芸能人らの踊りや歌を楽しんだことから、中国のSNSでは「国家と人民に巨大な損失を与えた書記や省長らは辞任しろ」などと批判の書き込みが相次いだ。あまりに書き込みが多く削除しきれないのか、地方政府に不満の矛先を向けたい中央政府の思惑なのか。

2020/2/6 李文亮医師死去(享年34歳)

WHO 致命的な初動対応の遅れ

テドロス事務局長の経歴
2017年5月23日、総会でWHOの事務局長に選出。任期は2017年7月1日から5年間
1965年3月3日生まれ、2020年で55歳。
エチオピア政府では2005年~2012年に保険大臣、2012年~2016年に外務大臣を努めた。
アスマラ大学を卒業後、1986年に保健省に入省。
国際的に認められるマラリア研究者・保険大臣として、保険サービスを提供し、革新的なシステム全体の健康改革を称賛された。

テドロス氏が保健相を務めていたエチオピア政府は、中国から巨額の投資を受けていた
そのため、経済や指導部のイメージを損なうとする中国の懸念をWHOが重視しすぎたのでは、ないかと言われている。
WHO内部からも、中国を賛美する発言は過剰だったのではないかと批判が出ている。


2020/1/23 WHOは緊急会合で、緊急事態宣言は時期尚早として、宣言を見送った。
緊急会合には日米中などの21人が名を連ねていたが、中国の代表者が「宣言は問題外」との主張を繰り返し、中国の同盟国からの反対もあって、結局宣言は見送られた。
テドロス事務局長は、「現時点で感染した約600人のほとんどは中国国内で、国外の感染者数は数件にとどまっている。ヒト対ヒトの感染も、近親者や治療に携わる医療関係にとどまっており、中国国外では報告されていない。患者の多くが軽症で、死亡患者のほとんどが他に疾患を抱えていた。」

2020年1月28日に中国で習近平主席と会談後、中国国営メディアが、テドロス事務局長が「中国の素早さ、中国の規模、中国の効率性は中国の体制の強みだ」と独裁体制を称賛した。
隠蔽が疑われる中国に対しての擁護は続き、「彼らが隠していたかどうか、確かなことは誰にも分からない」「論理的に隠蔽していたという見方とつじつまが合わない。結論を急ぐのは間違いだ」「中国は格別かつ正当な称賛に値する」「中国が病原体を特定し、直ちにその遺伝子配列情報を共有した事が他国の速やかな診断に役立った」「ありがたいと思えないだろうか。彼らは発生源をたたいたことで感謝されるべきだ。実際のところ世界の他の地域を守っているのだ」
更には習近平主席そのものを褒め称え、「彼の知識に驚かされた。それを自ら実践している。素晴らしい指導力だ」
とにかく中国と習近平主席をひたすら礼賛した。

中国で習近平主席と会談した翌々日の1月30日、WHOはついに新型コロナウィルス感染症について緊急事態を宣言。
しかし、テドロス事務局長は「新型の病気が過去にないほどの大流行に繋がっている。だが、中国の対応も過去にないほど素晴らしい」「中国国外の感染者数が少ないことに関し、中国に感謝しなければならない」などと相変わらず中国を全面擁護
さらには「人の移動や貿易を制限するよう勧めるものではない」とまで明言。
国際社会が抱くWHOと中国の癒着への疑いは決定的なものとなった。

2020/2/4 WHOは新型コロナウィルス感染症について、現時点では世界的な大流行(パンデミック)にはなっていないとの見解を示した。
新型コロナウィルスが突然変異した証拠はないとし、非常に安定していると説明。

2020/2/6 WHOは、中国全体では感染拡大の勢いがやや鈍化する兆しが出ているものの、ピークを超えたと判断するのは時期尚早との見方を示した。
現時点では感染を防ぐためのワクチンも、治療薬もないとも指摘した。

エボラ出血熱時の対応も後手後手だったWHO

2013年12月6日に2歳の男児が死亡、次いで母と祖母も死亡、この葬儀に他の地域からも人が集まり、参列者を通じて、エボラ出血熱は一気に拡大した。

2014年3月25日、ギニア政府はWHOにエボラ出血熱の集団発生を報告し、同じ時期に国境なき医師団も「地理的な広がりは前例がない」と国際社会へ警告を発していた。

しかし、それでもWHOは動かなかった。
5月にジュネーブで行われたWHO総会では十分な注意喚起を行わなかった。
翌月、危機感を強めた国境なき医師団が「もはや制御できない」とさらなる警鐘を鳴らしても動かなかった。
WHOが国際社会に向けてPHEIC(国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態)を宣言したのは、ギニア政府の報告から5ヶ月後、なんと8月になってからだった。

なぜ、WHOはPHEICを宣言しなかったのか?
まず、疫病がアフリカで起きたからというのが理由として考えられる。
「政府の役人が介在すると援助の9割が何処かに消えてしまう」と言われるような場所で、疫病に対して宗教的なアプローチをする人も多い「遠くの未開の地」である。
ここに介入するにあたっては、非常に大きな人的、経済的援助が必要となる。

また、国境なき医師団は危機感をあらわにしていたが、ギニア国内には楽観視する勢力があった。
エボラ出血熱の発生地はギニア南部の森林地帯で、首都コナクリにまでは感染が広がらないという楽観的な憶測があった。
「WHOがPHEICを宣言すると、経済的な打撃を被る」からこそ楽観的になったと言われており、ギニア政府は情報開示に消極的になったとされる。
これは、covid-19に際して、中国が情報開示に消極的だった姿勢と重なる。

さらにWHOはその後、国境なき医師団に対して「初期の事例を報告しなかった」と逆ギレ気味に批判。
逆に国境なき医師団から「2014年3月半ばに確認が取れた段階で、あらゆる資材を投入し、大規模な支援を開始するべきだった」「にも関わらず、WHOは翌日、国境なき医師団が誇張していると言った」と声明を出している。
これもcovid-19の対応時にも繰り返された光景だ。

2009年、新型インフルエンザに対しPHEICを宣言した事が「過剰反応」と批判された事が、慎重姿勢を招いたのでは、という見方もある。

後に流出したWHO内部の機密文書にて、エボラ出血熱への対応が遅れた要因として「官僚主義の横行」「職員の怠慢」「情報不足」の要因があったと結論づけていた。

米中戦争と武漢ウィルス研究所起源説

2020/5/3 トランプ大統領は、新型コロナウィルスが武漢ウィルス研究所から流出したとの主張を裏付ける決定的な証拠を含む報告書を公表する考えを示した。

「何が起きたかを正確に示す非常に強力な報告書を出す。非常に決定的なものだ」
「中国はひどい失敗をした。認めたくなかったんだろう」

同3日 マイク・ポンペオ米国務長官も武漢ウィルス研究所が新型コロナウィルスのパンデミックの発生源する「大きな証拠がある」と発言した。

武漢ウィルス研究所には、中国ウイルス培養物保存センター(CCVCC)がある。
公式ウェブサイトによると、同センターはアジア最大のウイルス保管施設で、1500株以上を保管している。

同研究所では2015年、病原体レベル4(P4)を扱える最高水準の安全性を確保した実験室が完成し、2018年に稼働を開始。
P4は人から人への感染の危険性が高いウイルスを指し、エボラウイルスなどが含まれる。

P4実験室の建設に当たっては、仏バイオ企業の創業者アラン・メリュー(Alain Merieux)氏が顧問を務めた。
同研究所では病原体レベル3(P3)実験室も2012年に稼働を開始している。

同施設で研究対象となっていたコウモリ由来のウイルス株に感染した人物が「0号患者」となり、そこからウイルスが武漢の住民に広まった可能性がある。

2020/5/2 WHOは新型コロナウィルスは自然起源によるものだと主張している。

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