緊張型頭痛と片頭痛
「緊張型頭痛」は、後頭部や頭全体が締め付けられるような痛みが特徴で、年齢・性別問わず多くの人に起こり得る最もポピュラーな頭痛。
長時間同じ姿勢を続ける事による血行不良や精神的なストレスが原因となり、肩や首の凝りを伴う事も多い。
ロキソニンやイブプロフェン、アセトアミノフェンが配合された市販薬が効果を発揮する。
「片頭痛」は、緊張型頭痛に次いで多く見られる頭痛で、特に20~40代女性に多い。
頭蓋骨内の血管が急激に拡張し炎症を起こす事が原因と考えられる。
視界の一部が白く光るなどの前兆があるケースが多く、脈打つような強い痛みや吐き気を伴う事が特徴とされる。
市販薬では治療困難とされ、医療機関に受診し、トリプタン系の片頭痛薬を処方してもらう事が推奨されている。
極めて稀に発症するとされる「群発頭痛」というのもあるが、これはもはや市販薬等で対処は不可能なため、早急に医療機関へ受診するしかない。
ロキソプロフェン
皆さんおなじみ「ロキソニン」の主成分。
素早く効果を発揮し、非常に使い勝手の良い成分であるため、まずはこれが推奨される。
胃への負担も比較的少ないとされている。
第一類医薬品に分類されているため、薬剤師が常駐している店でしか買えない。
イブプロフェン
こちらも市販薬に配合されている代表的な鎮痛成分で、様々な抗炎症・解熱・鎮痛薬に配合されている。
薬剤師が在籍していない店でも購入可能で、入手しやすく安価。
アセトアミノフェン
ロキソプロフェンやイブプロフェンなどの鎮痛成分とは少し異なる仕組みで痛みを和らげる成分。
鎮痛効果や炎症を抑える効果はそれほど強くない代わりに、素早く効果を発揮し、胃への負担もほとんど無い。
15歳以下の小児への使用や長期間の使用も可能となっている安全性の高い成分。
少し肝臓に負担がかかるため、肝臓の悪い人や高齢者は若干注意が必要だが、特に胃の弱い人にとってはありがたい鎮痛成分となっている。
アリルイソプロピルアセチル尿素
鎮静成分の一つで、緊張・興奮・イライラ感などを鎮めて気持ちを落ち着かせる効果がある。
一般用医薬品では、痛みの感覚を抑える目的で頭痛・歯痛・生理痛などの解熱鎮痛薬に配合されている。
イライラ感を抑える目的で鎮うん薬にも配合されている。
ただ、眠気を誘発する副作用があるので要注意。
眠る前、頭痛くて眠れない夜に服用したい。
カフェイン・無水カフェイン
カフェインは水分と結びつき、コーヒーや緑茶などの飲料に含まれている事で有名な成分。
医薬品などに使用するためにカフェインから水を取り除いたものが「無水カフェイン」となり、カフェインと同等の作用をもたらす。
中枢神経を刺激する事によって眠気や疲労感を取り、頭の重い感じを和らげるため、頭痛薬を含めた様々な医薬品に配合されている。
興奮作用・心筋収縮力増強作用・末梢血管拡張作用・平滑筋拡張作用・利尿作用があるとされる。
カフェイン単体でも、頭が重い感じの頭痛・片頭痛・高血圧性頭痛・カフェイン禁断性頭痛にも効果がある。
片頭痛は脳血管が拡張する事によって、血管が神経に触れて炎症が起こり、痛みが出る。
カフェインには脳の血管を収縮させる作用があるため、片頭痛の痛みを軽減してくれる。
強力な利尿作用があるため、脱水症状や熱中症が心配な季節には特に摂取には気を付ける必要がある。
お酒と同様、カフェインを含む飲料では水分補給にはならないので、カフェインを含まない水や麦茶なども同時に飲んでしっかり水分補給しないといけない。
特に緑茶なんかは如何にも水分補給出来た気分になってしまうため、注意が必要となる。
無水カフェインは総合感冒薬や乗り物酔い防止薬にも含まれている事が多いので、コーヒーや緑茶などと合わせての過剰摂取にならないようにも注意が必要となる。
ロキソニンS

配合成分はロキソニンのみというシンプルな市販薬。
リングルアイビーα200

OTC医薬品最大量イブプロフェン200mgを含有しており、辛い頭痛・生理痛・発熱に素早く効く。
1日3回まで服用可能で、眠なる成分もカフェインも配合されていない事が特徴。
眠くなる成分である「アリルイソプロピルアセチル尿素」や「無水カフェイン」なども配合されていないという優位性がある。
タイレノールA

医療用としても使用頻度の高い「カロナール」と同じ解熱鎮痛成分である「アセトアミノフェン」を含む市販薬。
胃に優しく眠くなる成分も無し、インフルエンザに罹っていても服用可能。
五苓散

五苓散は、体の働きを高めて、余分な「水(すい)」を体の外へ出す働きをする。
特にお酒を飲み過ぎたとき、お酒という水分を自身の処理能力を超えて摂取した結果、水が滞った「水滞」という状態が原因となって、「浮腫・頭痛・目眩・下痢」といった症状を呈する。
そうした二日酔いのときにピッタリなのが「五苓散」であり、飲酒を伴う夜のお仕事を生業とされる方にも愛飲者が多い漢方薬となっている。
二日酔いだけでなく、特に雨の日に頭痛がする、頭が重いといった症状が起きる人にもオススメ。
さらに、この「五苓散」ともう一つ頭痛に効くとして有名な漢方薬である「呉茱萸湯」を同時に服用する事を推奨する医師も多い。
水分バランスを整える作用があるため、脱水症状や熱中症に対しても効果的。
口が渇く、汗がよく出る、おしっこが出にくい、そんな時にも。
呉茱萸湯

漢方では、ズキズキする頭痛は「冷え」が体の中の巡りを邪魔してしまう事で、上部・頭への「気」や「血」の流れが乱れてしまったために生じるものと考えられている。
身体の中心であるお腹を温め、「気」や「血」の流れを乱していた「冷え」を取り除く事で頭痛を鎮める働きをする。
胃腸の働きを整え、吐き気を鎮める働きもあるため、胃腸が弱い人でも安心して飲める頭痛薬としてもメリットが大きい。
冷え性にも効果があり、しゃっくりにも有効とされている。
五苓散と併用して服用するのも有効。
葛根湯

風邪薬としても有名な葛根湯には、実に様々な効果がある。
特に身体を温めて筋肉をほぐす働きもあるため、肩こりや筋肉の強張り・緊張を伴う頭痛に効果を発揮する。
頭痛に伴い、肩こりがあったり背中が張ったりといった症状がある場合は、葛根湯が選択肢となってくる。
コメント