空腹は「タンパク質」不足
私たち人間を含めた動物は、主に5つの栄養素「タンパク質」「炭水化物」「脂質」「塩分」「カルシウム」を欲している。
この5つの栄養素が不足していると、「空腹」を感じ、「食欲」を感じる。
そして何よりも「タンパク質」を最優先で求めている。
そのため、空腹を感じる時というのは、基本的にタンパク質が不足している状態である場合が多い。
そんな空腹を感じた時、人間というのはついついラーメンやアイス、ポテトチップスなどの炭水化物を摂取してしまうのだが、肝心のタンパク質が不足している事が原因でなかなか満腹になれない。
深夜にお腹が空いたなら、肉や魚、卵などをしっかり食べた方が良い。
軽めにしておこうと下手に消化の良いうどん等を食べても食欲が悪化してしまうだけ。
コオロギやバッタなどは、他に穀物等の食物があったとしても、本能的にタンパク質を求めて共食いまで始めてしまう。
ファストフードやお菓子というのは、工業的に食欲を暴発させる仕掛けがなされている。
炭水化物と塩分をたっぷり含み、タンパク質が少ない大変危険な食物。
ただ、タンパク質をしっかり摂ったとしても、満腹感を感じるためには時間が掛かる。
例えば、焼肉の食べ放題などでは、最初は勢いよくいくらでも食べれる気がしても、時間差で突如として満腹感を感じて食べれなくなる事がよくある。
お肉の食べ放題というと、一見するとお店側にとっては原価が高くて大変そうなイメージだが、意外とみんながイメージしてるほど食べられないので、焼肉やしゃぶしゃぶの食べ放題は成り立っている。
早く満腹感を感じるためには、食物繊維も一緒に摂るのが有効的。
食物繊維は胃腸を早く膨らませて、消化の速度を遅らせるため、脳に満腹という信号を伝える速度を早めてくれる効果がある。
ちなみにお米や小麦にも本来食物繊維が豊富に含まれているのだが、白米や精製された小麦というのは、食物繊維を排除している状態となっている。
食物繊維というのは、食べにくくて食感が悪く、味も美味しく無い。
一般的に流通している白米や小麦製品、数多のファストフードやお菓子というのは、この食物繊維を取り除く事によって美味しくて食べやすくしてくれているのである。
最近では歯の無い事をネタにして笑いを取っている芸人が活躍して大人気となっているが、まさに現代社会は歯が無くても食べれる美味しい食品で溢れている。
むしろ、食物繊維を取り除いていない玄米や生の果物やサツマイモの方がもはや高級品となっている。
低血糖症

生きていく上で必須のエネルギー源である「血糖」が不安定になってしまう病気、それが低血糖症。
病気ではあるが、西洋医学的に正式に分類されている病気では無く、一般的な医療機関では診断されない「隠れた病」といえる。
低血糖状態になると以下のような症状がみられる。
- なんとなく具合が悪い(疲れやすい・冷え性・頭痛・朝起きられないなど)
- なんとなく精神的に不安定(イライラ・キレやすい・やる気が起きない)
- 抑うつ
- 過食
- 肥満、メタボリックシンドローム
- アトピー性皮膚炎
- ADHD(注意欠陥・多動性障害)
- 老人性痴呆
こういった「不定愁訴」的な症状を訴えたとしても、基本的には対症療法的に一部の症状を抑える薬を処方されるだけで根本原因の解決には至らない事が多い。
当然ながら、こういった症状たちが「低血糖症」が原因であると断言出来るわけではない。
しかし、普段から食べ過ぎてしまう傾向にある人、肥満気味の人や糖尿病予備群な人はもちろん、例え見た目は痩せててもついついコンビニ通いが止められないような人も要注意。
血糖や血糖値について
血糖とは、血液の中に含まれている「グルコース(ブドウ糖)」のことであり、血糖値はその濃度(血液中のグルコースの濃度)の事を指している。
この血糖値がちょうど良い濃度に保たれていないと、人間というのは当たり前の事を当たり前に実行する事が出来なくなってしまう。
血糖は、人間が生きていく上で最も利用しやすいエネルギーであり、呼吸をするにも心臓を動かすにも必要となり、眠っている時間も含めて常に消費され続ける。
特に脳は血糖を特に多く使用する上、基本的に血糖しかエネルギーとして使用しない。
さらに脳はグルコースを蓄える事が出来ず40秒で使い切ってしまうため、脳のために血糖値を安定した状態で保っておく必要がある。
そのため、血糖値が不安定になる「低血糖症」においては、まずは脳からダイレクトに影響を受ける事となり、心身ともに様々な不調が顕れてきてしまう。
生命を維持する働き:ホメオスタシス(生体恒常性)
体温・血圧・心拍数・発汗量・尿量など、体の中の様々な状況・環境を常に一定の状態に保とうとする働きを「ホメオスタシス」という。
ホメオスタシスのおかげで生命が維持出来るのであり、「健康」というのは「ホメオスタシスが滞りなく正常に働いている状態」といえる。
人間の体には、数え切れないほど多くのホメオスタシスが働いているが、その中でも最も重要で厳重にコントロールされているのが「血糖値」
食べ物を食べると、口から入った食べ物は胃・十二指腸・小腸を通っていく過程で様々な消化液によって溶かされ、細かい状態に分解され、消化された栄養素は主に小腸の粘膜から体内に吸収されていく。
吸収された栄養素はまず肝臓に運ばれ、そこで加工された上で、全身に運ばれて、体を動かすエネルギーとなったり、体の一部を作り替えるために利用されたりする。
消化されなかった食べ物のカスや食物繊維、腸内細菌などが糞便となり、日々のお通じとなって排泄されている。
糖質・脂質・タンパク質は、消化されると最終的にそれぞれ「グルコース」「脂肪酸」「アミノ酸」となる。
いわゆる炭水化物は糖質であり、消化されると基本的には全てグルコースとなる。
血糖値の調整
自律神経とホルモン、肝臓などの様々な臓器が血糖値の調節に関与している。
血糖値が高いときは、膵臓からインスリンを分泌させ、血糖値を下げる。
血糖値が低いときには、副腎髄質ホルモン(アドレナリン・ノルアドレナリン)およびグルカゴンを分泌させる事によって、血糖値を上げる。
脳下垂体を刺激して、副腎から副腎皮質ホルモン(コルチゾール)を分泌させ、血糖値を上げる。
生物として飢餓の状態を想定した身体の作りとなっているため、とにかく血糖値を上げる仕組みの方が充実している。
また、肝臓はインスリンに関係なくグルコースを取り込める臓器の代表であり、血糖値を安定させるために重要な働きをしている。
食後など血糖が十分にあるときにはグルコースを取り込み、貯蓄型の糖分であるグリコーゲンとして蓄える。
更にグルコースが余分にあるときには、脂肪に変えて蓄えられる。
空腹時など、血糖値が下がったときには、肝臓がグリコーゲンをグルコースに戻したり、アミノ酸や乳酸・ピルビン酸などの物質からグルコースを作る「糖新生」を行う事により、血液中のグルコースを増やして血糖値を上げる。
膵臓は、血糖値が高いか低いかという事を常に監視している「血糖値の見張り番」としての役割を果たしている臓器となっている。
血糖値が高ければ、膵臓のβ細胞が反応してインスリンを分泌して血糖値を下げるし、血糖値が低ければアルファ細胞からグルカゴンを分泌して、血糖値を上げる。
副腎も血糖値の調節に関与しており、血糖値が低いときは副腎髄質からアドレナリン・ノルアドレナリンを分泌して血糖値を上げる。
副腎皮質からもコルチゾールを分泌して、これも血糖値を上げる効果がある。
コルチゾールには炎症や傷みを抑える効果があり、アトピー性皮膚炎などの治療で使われる「ステロイド」はコルチゾールを薬品にしたものとなっている。
甲状腺ホルモンは、全身の代謝を維持させる働きをもっており、エネルギー産生や熱産生などに関わっている。
甲状腺ホルモンも、肝臓でのグリゴーゲン分解や腸でのグルコース吸収を促す事で、血糖値を高める働きをする。
このように色々な臓器が自律神経やホルモンを介して血糖値の調節を行っているのだが、血糖値を上げるホルモンの豊富さに対して、血糖値を下げるホルモンがインスリンしか無いというアンバランスさが特に際立っている。
糖尿病と低血糖症
血糖値を下げる事が可能な唯一のホルモンであるインスリンが分泌されない、もしくは効きが悪くなってしまったが故に、血糖値が高くなってしまう病気が「糖尿病」である。
糖尿病によって血糖値が高くなる事により、全身の毛細血管が障害を受け、網膜症や腎障害、神経障害を引き起こす。
低血糖症というのは、逆にインスリンが出すぎる、もしくは効きすぎる事によって血糖値の急激な低下を引き起こしたり、恒常的な低血糖状態をもたらす症状。
糖尿病と低血糖症は、一見すると正反対の病気に見えるが、インスリンが起因となって血糖値のコントロールがうまくいかなくなるという点において、共通の病気といえる。
そして、両方とも原因が共通しており、主に「精製された糖分の過剰摂取」が原因となっている。
砂糖やお菓子、清涼飲料水に加え、白米や小麦粉も精製された糖分であり、消化に時間をかける事なく、一瞬で糖分が吸収されてしまう「単糖類」の食べ物となっている。
こうした単糖類の食べ物を摂取すると、とても素早く糖分が吸収されてしまうが故に、血糖値が急上昇する。
すると、体は血糖値を下げようとインスリンを分泌する。
インスリンは血糖値の上昇速度に応じて分泌量が調節されるため、大量分泌されてしまう。
過剰分泌されたインスリンが血糖値の急降下を招く事により、結果的に低血糖症となってしまう。
この血糖値の乱高下を繰り返す事により、ホメオスタシスによって厳密に行われるべき血糖のコントロールが上手く行かなくなり、心身に様々な不調をきたす「機能性低血糖症」となってしまう。
低血糖になれば、真っ先に脳がグルコース不足に陥ってしまい、抑鬱状態にも直結、集中力低下・記憶力低下、だるい、疲れやすい、眠い、やる気が出ない、といった脳を起因とした様々な不調が現れる。
昼食後はすごく眠くなる、という症状は「当たり前の事」ではなく、「低血糖症の予兆」と考えてもいい。
現代人はランチで糖質を摂り過ぎなのであり、就業規則に定められた12時に無理やり飯を食べるのは全くもって合理的とはいえない。
低血糖が引き起こす「過剰な食欲」「過食」
数百万年もの長い間、飢えと戦ってきた私たち人類には、血糖値を下げる手段がインスリンしか無いのと対象的に、血糖値を上げる仕組みはたくさん備わっている。
正直言って、ちょっとやそっと血糖値の急降下を引き起こしたところで、すぐに血糖値を正常に戻す事が出来るので、問題にはならない。
ただ、血糖値が下がる事によって引き起こされる厄介な作用が「尋常じゃない空腹」「過剰な食欲」である。
「いくら食べても満足できない」「家にある食べ物を全部食べきってしまう」「夜中でもコンビニまでひとっ走りしてしまう」
これぐらい過剰で異常な食欲の引き金となってしまうからこそ、かなり厄介なのである。
とにかく脳を守るための命令なので、自分の意志の力で逆らうのは大変難しい。
また、血糖値を上げるホルモンの中でも「アドレナリン・ノルアドレナリン」は攻撃ホルモンと言われており、厄介な症状を引き起こす。
本来であれば生命の危険にさらされたとき、例えば肉食獣に見つかった瞬間などに咄嗟の瞬発力を発揮して危険から身を守るためのホルモンとなっている。
だが、低血糖になってしまうと、血糖値を上げるために本人の意志とまるで関係なく大量に分泌されてしまい、イライラして攻撃的になったり、不安な気持ちに襲われたりする。
命の危険などに直面しているわけでもない日常生活において攻撃ホルモンが分泌されてしまうと、精神が不安定になるばかりでかなり副作用が大きくなってしまう。
急激に不安に襲われて、死にたくなってしまうのもこれらのホルモンの影響が強いとされている。
お菓子中毒の罠
お菓子とは、過食・肥満の原因となる「白砂糖・果糖・人工甘味料・小麦・食塩・油」が敷き詰まった健康を阻害するまさに「ジャンク」な食品。
果糖ブドウ糖液糖
トウモロコシやジャガイモなどのデンプンから作られる物質で、実は白砂糖よりも強烈な甘さがあり、より一層中毒を齎しやすい危険な糖分。
「果糖」という名前から連想される果物の甘みとは全くの別物である工業製品。
「高果糖液糖」「砂糖混合異性化液糖」などにも要注意。
炭酸飲料・フルーツジュース・スポーツドリンク・アイス・ゼリー・プリンなどに含まれている。
一見して健康に良さそうな飲み物にも入っているのが恐ろしいポイント。
人工甘味料
「人工甘味料」は名前のイメージ通りにストレートに大変危険な添加物。
白砂糖の数百倍から数千倍もの甘さがあり、更に1万倍以上の甘さを誇るものまで、より甘く中毒性の高い人工甘味料の研究開発が行われている。
依存性が高いのはもちろん、発がん性や肝機能障害をもたらす可能性も指摘されている。
特に悪質なのが、ダイエット飲料や糖質オフ食品などに多用されているという事。
健康に気遣って「カロリーゼロ」などと明記された商品なんか絶対に買うべきではない。
小麦(グルテン)
小麦に含まれているグルテンは、体内に入ると悪質なタンパク質に分解され、免疫機能のバランスを崩したり、腸の粘膜の炎症などを引き起こす。
さらにグルテンが分解される事で出てくる「小麦ポリペプチド」は、脳に直接作用して中毒症状を引き起こす事が判明しており、その中毒性は麻薬に匹敵する。
聖書でも聖なるものとして祀られている小麦は世界中で主食として食されており、世界一依存者が多い食物といえる。
流石に世界一の食材であるキングオブ主食である小麦を一切摂取しない生活は困難だとしても、なるべく小麦の摂取量を控え目にするように心掛ける事が大事。
食塩
「甘さ」だけでは無く、「しょっぽさ」にも依存性がある。
よく知られているデメリットとして、血圧を上昇を招き、脳卒中や心筋梗塞、胃がんの発症率を高めるリスクがある。
残念ながら外食やコンビニで提供されている食品は基本的に食塩ドバドバなので、自炊などをしない限り食塩の摂取量を抑える事は非常に困難となっている。
飢えとサーチュイン遺伝子
長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子を働かせる事によって、老化にも強い。
軽ストレスもサーチュイン遺伝子を働かせる。
とにかく少食にしても、少し空腹で飢えを感じるぐらいに体を保つと、老いを感じる事なく元気に余生を過ごせるようになる。
次世代機能性食品素材「NMN」
多種の脱水素酵素として機能する「NAD+」(ニコチンアミドモノヌクレオチド)の生合成中間代謝産物。
NMNは母乳に含まれているほか、枝豆やブロッコリーなどの野菜にも多く含まれている。
体内ではビタミンB3(ニコチンアミド)から生成されるが、加齢に伴って量が減ってくる。
NMNを摂取すると体内でNAD+に変換され、長寿遺伝子といわれる酵素サーチュインを活性化する。
マウスの実験では、高脂肪食負荷に伴う耐糖性異常の改善や老化に伴うミトコンドリアの機能低下改善、虚血再灌流における脳梗塞の減少、老化に伴う神経幹細胞の減少抑制などの効果が確認されている。
高齢男性に対するNMNの経口摂取に関するプラセボ試験でも、歩行速度や握力などの運動機能の改善、聴力の改善傾向がみられる事が確認されている。
日清ファルマや帝人グループなどの日本企業もいち早く高額サプリを販売している。
コメント